♯2 昼歩く

―心霊スポットと呼ばれる場所に赴く私―




“Night Walker”としての活動以外は、基本的には私が心霊スポット(と呼ばれる所)に赴く時は必ずといって良いほど一人で行く。
それには、明確な理由がいくつかある。
まず基本的には一人が好きだからであろう。
次に、物見遊山ではないと考えているからである。もっとも、これに関してはそう偉そうなことは言えないと自分でも思っている。
そして、もう一つには誰も怖がって同行してくれないというのも在るかもしれない。

そして、もう一つに、心霊サイトの管理人諸氏からすれば滑稽に思えるかもしれないが基本的に私は夜には行かない。
これにも私なりに明確な理由がある。
信じてもらえるか否かは別にして、幸か不幸か私の場合本人の希望とは無関係に幽霊(らしきもの)、怪奇現象に遭遇してしまうことが多々あるので、出来れば避けたい。しかも、周囲に言わせるとそれらを“お持ち帰り”してしまう事がままあるようだからである。
また、更には明確な周囲の状況を把握、撮影出来ない、聞き取り調査が出来ない等の理由が挙げられる。
明確な周囲の状況を把握出来ないということは、一つに正確なリポートが出来ないという理由の他に、廃屋、廃トンネル、ダム湖、山奥等の場所で明確な周囲の状況が把握できないという事は、幽霊に遭遇するより数倍怖いと思うからである。
また、他の理由としては、廃屋などで集会や肝試しをしている先客と遭遇したくない、とか、深夜に廃屋等を訪問、撮影していて周辺住民に通報され、そんな事で警察のお世話になったとあっては洒落にならないからである。






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