帰ってきた少女

ご投稿 : ヨーソロ 様

2005-08-22

(平成17年)8月19日、仕事の都合でタクシーを利用した際に、運転手の岩田さん(仮名)と言う方から、非常に恐ろしくも悲しい話を聞きましたので、よろしければ又、貴殿のHPの充実のお役に立てればと思い投稿します。

それは去年の6月のこと。タクシードライバーの岩田さんは、午後11時頃、大阪市淀川区塚本付近を流していました。

大阪病院の前で、中学生位の女の子が手を挙げていたそうです。
女の子は、すっと乗り込み
「東大阪の○○(管理人修正)までお願いします。」
と言うと俯いて、黙って乗っていたそうです。

目的地に近づいて来ると
「運転手さん、すぐそこが私のおうちです。お母さんからお金を貰ってくるから、少し待ってて下さい。すいません。」
と言うと、住宅街の角を曲がって行ったそうです。

岩田さんは、そう言って逃げて無賃乗車する輩が多いので、普段は一緒について行くらしいのですが、その女の子は非常にまじめそうだし、かしこそうな子に見えたから、そんなことはしないだろう、と待つ事にしたそうです。

しかし、20分程待っても戻らないので、女の子が行った方に歩いて行くと、煌々とした明かりが見え、そちらに行くと公民館のような所でお葬式会場だったそうです。
会場の椅子に女性が一人座っておられたので近づいて行くと、目に入って来た遺影は今乗せてきた女の子でした。
愕然とし又、恐怖で膝がガタガタと震えた、との事でした。

椅子に座っていた女性に今までの出来事を話すと、その方は女の子のお母さんで、
「お母さん」
と聞こえた気がしたから遺影の前にいたそうです。

まさしく、タクシーから(少女が)降りた頃合いに声が聞こえたそうで、急死した娘の亡骸は連れて帰って来たが、魂を連れて来て頂いてありがとう、と大変感謝され料金も支払って頂いた、との事でした。

帰り道、若くして亡くなった女の子を想い又、親と子の絆の深さに涙が流れるのを禁じ得なかったそうです。
次の日、棺の前に一輪の花を手向け、心からご冥福をお祈りした、との事でした。

しばらくは、女性客を乗せるのが怖かったですよー!との談。

管理人注:
ご投稿では、タクシードライバー様のお名前、少女が言った行き先(地名)等実名で記載戴いておりますが、管理人の判断で仮名或いは伏字とさせて戴きました。悪しからずご了承下さい。






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