落ちる男
ご投稿 : くりあ 様


この話はくりあ様が(兵庫県内の)或る有名なホテルのホールの設備運営・管理をされていた時に体験された不思議な話である。

これは以前私が勤めていた会社時代に経験した不思議な話です。
業務内容は有名ホテルでの音響や照明、映像設備の運営、管理などです。
解りやすい所では結婚披露宴です。
その時勤務していた所では大きなホールが新設され、コンサートや、学会なども開催されていました。

ある日、催し物が終了しホールの大半が見渡せる音響・照明ブースで、5人ほどで片付けをしていました。
ブースというのはマイクの音量等の音響、明るさなどの照明をコントロールする場所で、当然ですが防音構造になっています。

私たちがホール内の機材を片付けたら、ホテル側の担当者が全ての扉をチェックし、施錠した後、照明を落として(電源を切って)出て行きます。
私たちは機材を片付ける為に、全員ブースに残って作業をしていました。

その時です。真っ暗な(非常灯だけは点いていましたが)ホールの方から、男性の声で「うわああああああああああああああああ」と、まるで高い所から落ちるような声が聞こえたのです。
実際に天井ぐらいの所から、奈落の底まで落ちるかのように・・・。
私はぞっとして顔を上げました。
ホールは当然暗く、誰かが居るような気配もありません。

そこで、他の人を見ると、全員同じ方向を向いて、「今の聞こえた?」
「聞こえた。誰か落ちたような声したよな?」
「いや、そんな場所ないし誰もおらへんやろ」
と口々に言っています。
私だけではなく、その場の全員に聞こえたのです。
当然ホール内のマイクは常設の物以外撤去されていますし、何より音響設備の電源はすでに落ちています。
モニタースピーカーから音がするはずはありません。
しばらく耳をすませたり、小窓を開けてホールを見たりしましたが、異常はありませんでした。
ブース内は明るく、その後なにも起こらないので、また作業を続けて、担当者に鍵を返しました。
なにせ有名なホテルですから、管理も厳重です。悪戯をするような人もいません。

その後、そのような現象には2度と逢うこともありませんでした。
そこで事故が起きたという話も聞いたことはありません。

ただ、全員が同じ声を聞いたというのが不気味でした。
集団催眠みたいなものでしょうか?

私には霊感とかは全くないので、後にも先にもそんな体験はこれだけです。






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