投稿者 : Black Velvet
知人のAさんは、本人いわく「見たくないものが見えてしまう」体質らしく、これまでに幾度となく不可解な現象に遭遇してきた。
そんなAさんが口にすることさえ嫌で長い間封印していたという話を先日聞かせてもらうことができた。
平成29年(2017)12月5日の夜11時頃だと思う。
その日はたまたま帰りが一緒になったので、車でAさんを家まで送って行った。
家に着く手前でAさんは
「おかげさまで助かりました」
といって微笑んでくれた。
その少し後に、
「実は、ここ通るのが怖くて…」
とAさんは少しうつむきながらこんな話をしてくれた。
Aさんの言う「ここ」とはAさんの家と同じ住宅街の少し離れた家(仮に「Mさんの家」とする)のことらしい。
なんでも、帰宅時などにMさんの家の前を通ると、(Mさんの家の)玄関の前に“この世のものではないなにか”が立っている事が有るからだという。それも、深夜などではなく夕方などの比較的明るい時間にはっきり見えるのだという。
Aさん自身は怖くて“それ”を直視したことはないらしいが、それでも視界に入ってしまうらしく、その姿は幽霊というには余りにもはっきりとしていて、全身が日焼けした紙のような色(不透明)で着物を着た昔の女性らしい。
その話を話すAさんはとても怯えていて、冗談や作り話とはとても思えなかった。
気になった私は色々と周辺について調べたみたが、特に因縁めいた話などは聞かれなかった。
ただ、その時、気になる話を聞いた。
このMさんの家では子供さんが重度の障害をもって生まれ、旦那さんが不倫の末に愛人の許に行ったまま家に帰って来なくなり離婚、旦那さんはその数年後に急死。さらに奥さんは大病を患い大手術を受けたということだった。
敢えて語弊を恐れずに言わせてもらうなら、これらは誰にでも起こりうる、何処にでもある不幸なのかも知れない。
それとも、これらの出来事と玄関に立つ“この世のものではないなにか”は何か関係が有るとでも言うのだろうか。
2018/06/18 追記
平成30年(2018)5月21日夕方、Mさんの家の前を通った時に、Mさんの家から白い靄(もや)の様なものが煙のように湧き上がっているのを見たという。(煙や水蒸気という感じではなかったらしい。)