儀式の跡

投稿者 : Black Velvet


昭和56~59年(1981~1984)頃の話になるだろうか…
当時住んでいた家の比較的近くに心理スポットとしても知られている舞子墓園があった。基本的には墓地なのだが、公園墓地として整備されていたので中には池や山もあり、私はよく友達とそこで探検ごっこやザリガニ釣り等をしていて遊んでいた。
そんなある日のこと、何故か私はいつもなら行くはずも無い墓地の奥へと一人で探検に行っていた。
墓地として綺麗に整備された区画の片隅に、奥の松林へと続く細い道を見つけたからだった。
好奇心旺盛な子供のこと、薄暗い松林の中を走る獣道をものともせずに分け入っていった。暫く進むと突然目の前が開けた。そこは丘陵の先端のような小高いところで、小さな広場のようになっていた。まるで秘密基地でも見つけたような気分だった。
しかし…そこにはそれ以上に私を驚かせる物があった。

それは青々とした松の枝を折ったものが、直径1メートル強程のドーナツ状に積まれたものだった。中心部は少し窪んでいるように思われた。
子供心にも何か見てはいけない物を見てしまったような気分になった。しかし、好奇心も有った。逃げ出してしまいたい衝動を抑えながら、ゆっくりと辺りを見回す。
よく見ると、傍の松の枝にはススキの穂が束ねられて括り付けられていた。また、侵入者を知らせる鳴子のようなものもあった。
断言は出来ないが、到底子供の遊びとは思えなかった。というのも、それから放たれる鬼気迫る空気がひしひしと私の肌に突き刺さってきたからだ。恐らくは何かの“おまじない”(=儀式)を行った跡だと子供心に思った。
ひとしきり周囲を見渡し、その場から逃げるようにもと来た道を引き返す。

それから何週間かが過ぎたある日、その後どうなったのかが気になり恐る恐る再びそこを訪れた。
青かった松の枝は茶褐色に枯れ、蹴散らされたように周囲に飛び散っていた。
ドーナツの中心には、それまで松の枝が覆い被さって判らなかったのだが、無数の小石が円を描いて積まれていた。それまで半信半疑であったものが確信にと変わった瞬間だった。
これは明らかに何かの意図をもって作られたおまじないの場所(=祭壇)だと…

誰が何のために作ったのか。
あれから折に触れ西洋魔術や占い、果てはおまじないについて書かれた本なども読んでみたが手掛かりは得られなかった。
それは20数年を経た今も判らないままである。
(写真は当時実際の場所で撮影したもの)

これらについて何かご存知の方が居られたら、どのような些細な事でも結構ですのでご教示戴きたい。






本ページはフレーム構成となっております。
左端にメニューが表示されていない場合はこちらからどうぞ。