交差点の老婆
投稿者 : Black Velvet


平成21年(2009)9月13日。
その日は旧来の友人達との恒例の秋のバーベキューだった。
駐車場の都合や飲酒の関係もあって、参加者のうち何人かが運転手として近所の友達を拾って現地に集合するということになっていた。
飲まない私も運転手担当の一人だった。しかし、私が迎えに行くのは一人だったので気楽なものだ。

車を神戸市北区の住宅街に向けて走らせる。
西から東に進むと県道が神戸電鉄を跨ぐ手前に交差点がある。
直進すれば最終的には国道に突き当たる。その県道から北東に下るように住宅街の中に分岐する下り坂がある。
はっきりとは覚えていないのだが、午前9時頃だっただろうか。
その道路の分岐する所(Y字路の股の部分)、信号だったか街灯だったかのポールの下に上品な感じのお婆さんがちょこんと立っているのが見えた。(曖昧な記憶だが、小さな鞄を両手で前に持っていたような気もする…)
それは不自然な光景だった。
人が立てない場所とかではないのだが、交通量が多く、お婆さんが立っている場所には歩道も無く、普通に考えると人が(車から)乗り降りするには危険で不自然な場所だからである。
しかし、それらの理由だけなら本当に生身のお婆さんが立っていた可能性は否定できない。

ところが、不思議な事に信号に目を遣った次の瞬間そのお婆さんはそこからいなくなっていた。
勿論誰かが(車で)迎えに来たのなら、目の前でその車が停まるので私も停まらざるを得ない状況になるので気付くはずである。
本当に一瞬の出来事だった。しかし、幻や目の錯覚というには余りにも鮮明に思えた。
運転中だったのでそうそうキョロキョロも出来ないのだが、見渡したところお婆さんの姿は何処にも無かった。

関係があるのか無いのかは解らない。
何でもこじつけだと言われそうだが参考までに書いておくと、その交差点から東へ150メートルほど行った所に、かつて老人ホームがあった。更に、現在はその道向かいに介護老人福祉施設がある。
私はそのお婆さんに見覚えは無いのだが、前述の(今は無き)老人ホームには色々と縁があったので、何か不思議なものを感じてしまうのは考え過ぎなのだろうか・・・

追記:後日何度か件の交差点を通る事があったのでゆっくりと確認したのだが、私がお婆さんを見た(お婆さんが立っていた)場所は、車道から一段高いポールの土台の様な場所で、普通に立つと足の1/3ほどが宙に浮く様な感じで、お年を召された方が立つにはあまりにも不安定な場所だった。






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