鉱山跡にて

ご投稿 : F 様

2010-07-10


(平成22年)6月29日、兵庫県南東端のある山で体験致しました。
その山の南斜面は昔、オオクワガタが採集出来ましたが、今は殆ど採集出来なくなり、また激藪(背丈を超えます)と急斜面で全く採集者が来なくなった場所です。

N氏と2人で行きました。
N氏は1人でも山の中にテントで泊まったり、1週間廃村に1人でいたこともある人です。
時間は21時です。
尾根近くの1本の木を目指して、道の無い激藪・急斜面を行くこと40分。
目標の木にはオオクワも普通のクワガタもいませんでした。
「こんな、しんどい思いをしたのに~」
ガックリと休憩していましたら、50メートル程東側で男性の話し声がしました。
私「馬鹿が、採集に来ていますよ」
N氏「でも途中、誰にも会わなかったですよ」
私「北斜面から山頂に出て、そこから尾根道を40分程歩いて来れますよ。楽ですが時間がかかりますけど…」
しかし他の採集者が来た、と言いながら実は腑に落ちないことが2つありました。
N氏「あ、話し声がしました」
私もまた、話し声を聞きました。
N氏「でもライトの光が見えませんね。普通、みえるでしょ?」
う…、す…鋭い…。
私「ハハハ、気が付きましたか。そうなんですよ。いくら激藪でもライトの光は見えます。また空に向かってライトの光の筋が見えるはずです」
私「もう1つ言うと、東側にはクヌギはありません。杉林です。もっと下の方ならありますが、わざわざ尾根から行く馬鹿はいません」
N氏「じゃぁ、幽霊? 山には霊がいると聞きましたが…」
私「ここは昔、鉱山だったんです。だから亡くなった人や働いていた人の思いがまだ残っているのでしょう」
N氏「Fさんは怖くないのですか?」
私「幽霊なんてどうでもいい。それよりバテた。そっちの方が怖い」

後日、オオクワで有名な方に聞きましたら、やはり杉林で、声の主の行動はおかしいとのことでした。






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