首無し男

ご投稿 : 友人 O

ある年の8月のこと、私(Black Velvet)の友人Oは、共通の友人Kと「ボーリング投げ放題」に行った帰りの車中であった。
友人Kが運転する車は第二神明道路を西へと向っていた。
月見山の大きなカーブに差し掛かったとき、目の前に車のブレーキランプが幾つも見えた。渋滞だった。
二人は思わぬ渋滞に
「事故でもあったんか?」
と話し合っていたという。
自然渋滞だったのか、事故らしい様子も見かけることなくやがて自然に渋滞を抜け、高倉山トンネルを越えてジェームス山界隈(名谷PA付近)に差し掛かった。
その時のことだった。

一瞬、Oの目の前が真っ白になり、次の瞬間、突然周囲の風景がゆっくりと流れ始めた。
それは、時速110km程で(車が)走行していたにもかかわらず、感覚としては時速40km程度で走っているような感じだったという。
左の路側には白いセダンが停車しているのが見えた。視線を中央分離帯に移すと、なんとそこにはスーツ姿の首の無い男が立っていた。
そして、車がその男とすれ違った瞬間、周囲の風景は元に戻ったという。
あまりの突然の出来事に彼は車を運転していたKにその事を話した。
運転に集中していたこともあってかKには特に何も変わった様子は感じられなかった。Oの話はにわかには信じ難かったが、彼が嘘をついている様にはとても思えなかったKは近くのインターで降り、再びUターンして彼がその“首無し男”を見たという場所まで行ってみることにした。
しかし、そこには何も無かったように高速道路の中央分離帯があるだけで、その男の姿は二度と見ることが出来なかった。






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