長い黒髪の女
ご投稿 : ヨーソロ 様


私の高校時代の同級生は、以前関西の某ホテルでベルガールをしていました。
都会のど真ん中にそびえ立つ高層ホテルのワンフロアーは、某有名デザイナーがデザインしたフロアーになっていて、とても優雅な趣を見せているそうです。

しかし、そのフロアーは呪われたフロアーなのです。
TVでも某お笑い芸人を始め、有名人、著名人が証言しています。
たしか、雑誌か本でも紹介された事があったと思います。

彼女は言いました、そのフロアーに足を踏み入れたその時、いや、エレベーターの扉が開いたその瞬間に違う空気、嫌な感じ、人間でありながら動物的な防御本能なのか、なにかを感じると。
同僚の中にも、見た人が大勢いると言うのです。

お客さんを部屋に案内して、部屋に入れて、扉を閉めて、エレベーターの方に振り向いたら、廊下に体育座りでこっちを見ている、顔面蒼白の長い黒髪の女。
エレベーターの扉が開いた瞬間、立っている顔面蒼白の長い黒髪の女。
高層階の窓の外を浮遊し、ガラスを叩く顔面蒼白の長い黒髪の女。
ベルの担当の人達は、極度にそのフロアーに行く事を嫌がるそうです。

ある日、私の高校時代の同級生は、そのフロアーの部屋にお客さんを案内して、エレベーターの方に行こうと歩き出したら、誰かがついて来る気配がしたそうです。
意を決して振り向くと、顔面蒼白の長い黒髪の女が今にも肩に手を掛けようと手を伸ばしており、鋭い眼光と目が合ったと言うのです。
そして、いつも手首にしている数珠をかざすと、ギリギリと音を発して歯軋りをし、より鋭い眼光で睨みつけたかと思うと、きびすを返して反対方向へ走って行き(間違いなく走ったそうです。)立ち止まったと思った瞬間、消えたそうです。
消えた瞬間、表現しようの無い異臭を感じたと言っていました。

出るのは同一の霊のようですが、かなりの怨念を持っているようです。
特徴は、顔面蒼白、長い黒髪、白いブラウス、射抜く様な目つき。
幽霊でさえも彼女には近づかないのでは、と思うほどだそうです。

夜中に客が「部屋を換えてくれ」と言うのは、決まってそのフロアーの部屋の客で、お化けが出るとか、歯軋りのような音が聞こえるとか、少し霊感の強い人は間違いなく、「顔面蒼白の長い黒髪の女が出てくる」と言うそうです。
しかしホテルのスタッフは皆、「そんなバカな!」という様な事を言って否定し、しかし、お客様がゆっくり休めないのは、ホテルとしても本望ではないので、と言うような事を言って部屋を換えるようです。

ある日、著名な霊能者と言われる人が宿泊し、フロアーにエレベーターが付いた瞬間、その人はすぐに適当な階のボタンを押して、そのフロアーには足を踏み入れず、このフロアーは開かずのフロアーにした方が良いと言ったそうです。

どのような霊なのでしょうか?

この話しをご存知の方がおられましたら、教えてください。






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