ご投稿 : 斎村 政広 様
2022-06-15
私は神主をしています。数年前、とある物件にお祓いに行った際のお話です。
そこはアパートの二階でした。外階段を登って行って、一番奥から二番目ぐらいの部屋でした。その部屋で何が起きたのか工事関係者にあえて聞くことはしませんでしたが、その部屋を含め他の部屋の住民は既に退去済みで、アパート自体解体の準備が進められている様子でした。
その部屋のドアは開き戸タイプで、内側のドアノブがなぜかはずされていました。つまり外側からでなければドアが開けられないようになっていたのです。しかし私はお祓いの際はドアと窓はすべて開けることにしており、風も吹いてないのでまさかドアが閉まることもないだろうと思ったので、ドアは全開にして、特にドアストッパーもせずに部屋に入りました。そして工事関係者参列のもと、滞りなく祭典を終えました。
しかし片付けの準備をしていると、突然バタンと勢いよく音がし、玄関のドアがしまったのです。内側のドアノブがない状態なので、何か工具を使わなければ開きません。工事関係者はただ慌てふためくばかりでした。
私は先端が長いハサミを持っていたことに気付き、それを使ってドアラッチの部分をぐっと押し込み、どうにかドアを開けることができました。
そのまま工事関係者は挨拶もそこそこに帰ってしまい、一人残された私はゆっくり片づけをし帰路につきました。
霊的なものはこれまで感じたことはありませんが、なぜ風もないのにドアが閉まったのかと不思議な気がしたのを覚えています。
末筆となりましたが、貴重なお話をご投稿下さった斎村 政広 様にこの場を借りてお礼申し上げます。