平成14年（2002）4月3日午前0時32分頃。
私が二階の自室に戻ろうと居間から廊下に出た時の事である。
僅かばかりの廊下の先に玄関がある。
何時もなら点いているはずの門灯が消えている。玄関ドアのガラス越しに差し込む月明かりに照らし出されたもの、それは、玄関土間に浮かぶ巨大な黒いモヤのような塊だった。
幅1.5m、高さ2mほどの楕円形のボールのような姿をしていた。
その直後、突然門灯が点いた。
さすがの私も気味が悪くなり、すぐに廊下の照明を点けた。するとそれは跡形なく消え、門灯は何事も無かったように点いていた。

その直後、先ほどの事を家族に話すと、私がそれを見る2～3分前に家族の一人が同じような黒い影が玄関ドアの向こう側（家の外）に立っているのをガラス越しに見たということだった。その時も、二階に上がろうと廊下に出た時の事だったという。
ここで少し説明を加えると、玄関ドア全体の面積の半分ほどが上から下までガラスになっており、玄関から少し離れた門灯が透けて見えているという状況である。
そこで門灯の前を横切る大きな黒い影を見たというのである。
私が玄関土間で黒いモヤ状の物を見たのはその2～3分後である。もし二人が見た物が同じ物であるとすれば、それはドアをすり抜け外から家の中に入ってきたことになる…
数分を置いて、別々の状況で2人の人間が同じような幻覚を見るものだろうか？
それが何であったのかは今もって解らない。

余談であるが。
これを打ち込み終え、保存ボタンを押した瞬間、PCに「不正な処理云々…」という表示が出て、今まで打ち込んでいた文章が全て消えてしまった。（つまりこれは、２回目に打ち込んだものである）
まるで書き表すなと言わんばかりのようだった。