令和4年（2022）4月30日、22時30分頃。
京丹波の方に出掛けた帰り道、国道176号線を南下して帰路へ着いていた。丹波篠山市と三田市の市境を越えた辺り、廃業したドライブインの前を過ぎたところで突然車の前に野生の鹿が出て来た。
咄嗟にブレーキをかけ、右にハンドルを切って避けようとしたのだが、鹿の方が頭を突っ込んでくるような形になり、「ゴン！」という鈍い音と共に鹿に接触した。脊髄反射的にそうしてまたっとはいえ、後続車や対向車がいなかったのは不幸中の幸いだった。
すぐにハザードを出し、周囲の安全を確認して自動販売機の前の道が広くなっている所に車を停める。
動揺を抑えつつミラーで後続車を確認しながら後方に視線を遣る。道路に鹿が倒れていたらどうしようと思いながらゆっくりと車を降りて確認するが、そこに鹿の姿は無かった。
鹿は何処かへ走り去っていた。
車体を確認したが、血痕や体毛の類はもとより特にヘコミや傷も見当たらない。夜間ということもありいつも以上にゆっくり走っていたことも幸いしたようだ。
（その後、鹿の容体が急変したとすれば非常に申し訳ないとは思うが、流石に私としてもそこまでのフォローは出来なかった…）

帰宅後、ドライブレコーダーからSDカードを取り出しPCで確認した。
鹿に衝突した瞬間から前後数十秒から数分のデータだけが無い…
ご存じの方も多いと思うが、車体に何かしらの衝撃が加わるとその前後の映像はドライブレコーダに保存される。また、それとは別にエンジンがオンになっている間も常に録画はされている。
そこに残っていたのは、鹿が出てくる直前の走行中の動画と、停車後の明滅するハザードランプの明かりが自動販売機に反射している動画だけだった…