投稿者 : Black Velvet
令和5年(2023)9月26日。
仕事を終え、家から少し離れた駐車場に車を停める。
駐車場と言っても住宅街の外れの奥まった所にあり、未舗装のままの駐車場。すぐそばには小高い丘があり、その上にはいくつかのため池がある。少し離れた所に街灯、民家の明かりがちらほら見える。
エンジンを切り、車から降りる支度をしていると外に何か気配を感じる。
車上荒らしか?… 気配を殺して様子を伺うが、人影らしいものは見当たらない。
ぼんやりとした暗闇に目を凝らしていると、外で何か黒いモヤのような物が動いているように見える。
最初は煙かとも思ったが、風に流されること無く塊の様になって動いている。
午後7時17分。
外で動いていた黒いモヤモヤは、あろうことか車の窓ガラスをすり抜けて車内へと入って来た。
この程度の事はままある。内心「チッ…面倒くさいな…」と思いながらも、実害がないようなので慌てること無くスマホのカメラでその黒いモヤモヤを撮ってみる。黒いモヤモヤは肉眼では確認出来るのだが、写真ではよく分からないうえにぼやけていた。ただ、そう見えるだけかも知れないが中央に大きな顔のようなものが見えるような気もする。
妻にその画像を送ると、
「髪の長い女の人がヘッドスライディングしてるみたいwww」
と慣れた様子で返された。
妻も結構見える方で、こういった事には慣れている。放っておいても大丈夫だろうと、特に驚くことも慌てることもなく、落ち着いた様子だ。それにしても「www」はやめてくれ(笑)
車内のモヤモヤに気を取られていたが、外を見ると、どうも”それ”は複数体いるようで、車を取り囲むように周囲を動き回っている。
気分が悪い(不快の方)ので、「やるかゴラァ!」と言わんばかりに(夜なので実際には声は出していない)勢いよくドアを開け、外に飛び出すと、それらは掻き消す様に忽然と消え、車内のそれもいつの間にかいなくなっていた。
車を降り家路に向かうと、いつもお出迎えをしてくれる近所の猫が寄って来た。
いつもなら歩くのに困るほど脚に纏わりついて来るのだが、その日だけは尻尾をピクンピクンと動かしながら私の車の方を凝視してそこからなかなか動かなかった。
いくら呼んでも、車の方を凝視したままだった。
思えば、一昨日、処刑場跡を訪れていたことを思い出した。
もしかしたら、そのまま連れ帰ってきてしまったのだろうか。