投稿者 : Black Velvet
平成15年(2003)1月11日未明。 それは神戸市西区押部谷町の高台にある廃屋を訪ねた次の日の事だった。 その日はいつになく眠れず、午前2時半までは起きていた記憶がある。 それでもいつの間にか眠っていたようで、これからお話する事は私自身夢なのか現実なのかはっきりと覚えていない出来事である。しかしその時の恐怖というのは今もしっかりと心に刻まれている。 眠っていて何かの気配に気がついた、ふと目をやると(横になって居る)自分の左に中学生ぐらいの女の子が正座をしてちょこんと座っていた。 実際に私に話し掛けてきたのか、私の心の中に話し掛けてきたのかははっきりと覚えていないのだが、兎も角その少女は泣きながら何かを私に懸命に訴えかけてきていた。 不思議な事に何故かその少女は14歳だという事だけをはっきりと覚えている。 少女はただ泣きじゃくりながら何かを懇願するのだが、生憎、恐怖心が先にたった私にはその少女の訴えを聞くより兎に角逃げ出したいという気持ちばかりが頭の中を駆け巡っていた。 枕もとのお守りを探そうと体を動かそうとするのだが金縛りにあって動かない… 眼も開かない… 極限の恐怖心に晒されたまま、私はひたすら心の中でお経を唱えていた。
どれだけの時間が経っていたのだろう、気がつくと何事も無かったように朝を迎えていた。 |