鳥居のある家

ご投稿 : 斎村 政広 様

2022-06-10

聞いた話です。
 ここでは仮にA氏とさせていただきますが、彼が大学生の頃の話です。A氏は車の免許を取ろうと母親の家にしばらく住むことになりました。「母親の家」と書きましたが、A氏の両親は既に離婚し、母親は再婚相手とともに(兵庫県の)○○市内(管理人修正)のとある場所に移り住んだからです。
 その家はちょっと変わった造りで、玄関の正面に真っ赤な鳥居があったそうです。つまり住人が玄関から出入りするには、そのつど鳥居をくぐらなければならないという、あたかも神社のような作りだったそうです。
 A氏は免許が取れるまでその家にしばらく住むことになったわけですが、早速怪異が起きたそうです。夜、夢の中で、頭巾を被った人物が何かを指さしている光景があらわれたそうです。それはまるで映画『リング』のワンシーンを彷彿とさせるものだったそうで、そのような夢を毎晩見るようになり、やがて金縛りにもあうようになりました。ただそれ以外の日常では特段A氏の身に何か起こったというわけではなく、とりあえず教習所は無事に卒業できたそうです。
 それから何年かして、母親の再婚相手がガンで亡くなり、母親も大病を患い、一時は危篤状態に陥ったそうです。幸い一命を取り留めましたが、その後、母親はその家から引っ越したそうです。
 ちなみにその家は今もあり、借家になっているそうです。A氏曰く「絶対あの家に住んだらアカン。わやなる(ダメになる、無茶苦茶になる)」と言っていました。


末筆となりましたが、貴重なお話をご投稿下さった斎村 政広 様にこの場を借りてお礼申し上げます。

管理人注:
ご投稿ではA様が不思議な体験をされた家の所在は実名で記載戴いておりますが、現在もその家に何方かがお住まいであろうという事を考慮し、管理人の判断で伏字とさせて戴きました。悪しからずご了承下さい。






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