訪問者

投稿者 : Black Velvet

妻から20代前半頃に経験した怖い話を聞かせてもらった。
その日、父親は夜勤で家には母親、長女(現在の妻)、次女の三人がいた。
夜の8時頃、突然玄関のドアノブを「ガチャガチャ」と回す音がした。
田舎ということもあって、夜の8時頃に誰かが訪ねてくるという事は稀なことだった。加えて、チャイムも鳴らさず、声を掛けるでもなく、いきなりドアノブをガチャガチャとされたものだからたまったものではない。
母親が手に棒を持って、恐る恐る
「誰?」
と問うが、訪問者は無言のままドアノブをガチャガチャとしている。
そうこうしていると、ドアノブを回す音が止んだ。
意を決してドアを一気に開ける。
そこには誰もおらず、辺りは静寂に包まれていた。
玄関前には駐車スペースと庭があり、道路までは7~8mはあるだろうか。前の道路は一本道で見通しも良い。
怖かったので追い掛けてまでは確認しなかったが、走って逃げたような気配も無かったという事だった。

何者かが侵入を試みたのだと思われる。
もし鍵をかけ忘れていたら… 妻からその話を聞いて、背筋が寒くなった。






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