兵庫県丹波市青垣町と京都府福知山市を結ぶ穴の浦(あなのうら)隧道には奇怪な噂がある。
トンネルを通っていると何処からとも無く呻き声が聞こえてくる、女性の叫び声が聞こえる、白い着物を着た女性を見た、鎧武者を見た、生首が宙を舞うのを見た、運転手がルームミラーで後部座席の友人を見ると首が180度後ろに回っていた、ここを通り終えて帰って車を見ると車体に無数の手形がついていたなどといった話がある。 タクシー運転手によってはここを通らなければいけない場合は断ることもあるという。
青垣町側からトンネルに向かうと、途中の山肌には小さな朱色の鳥居が幾つも並んでいる。
余談ではあるが「穴の浦隧道」(穴裏トンネル)という変わった名称は、トンネルの真上(諸説あり)にある穴裏峠(あなのうらとうげ、標高240m)に由来しており、この峠の傾斜が余りに急なことから、先を行く人の尻に頭がつかえるほどだったとか、前を行く人の尻の穴の裏まで見えたほどだったという伝承に由来する。
2021/05/10 加筆再編集。 |