チョコビル

チョコビル
某市境近くにそのチョコビルはあると聞き現地に赴いてみたのだが、所謂(当時)ニュータウンと呼ばれたその町には団地と呼ばれる高層住宅が多く建ち並ぶが、チョコレート色のビルといった感じの建物は見当らない。
オフホワイトの団地の中にチョコレート色のビルがあればそれなりに目立つとも思うのだが、これが一向に見つからない。
結局その日は見付けられないままに終わった。

手元にあるのは曖昧な情報ばかり。そこで再び何か手掛かりは無いかと調べていて、ある有力な情報に辿り着く事が出来た。
これが決定打となり、数日後改めて現地を訪れてようやくチョコビルを見付ける事が出来た。
驚いたことに、今回の探訪に限らずその建物の前を私はこれまでにも何度と無く通っていたのだ。

チョコビル…
正式な名称はここでは触れないが、ビルと呼ばれているが実際は高層住宅である。
具体的な人数は確認出来なかったが、建設以来これまでに数名の人がここから飛び降り自殺をして命を絶っており、自殺の名所として地元では知られている。近傍の中学校の生徒がここから飛び降り自殺をしたという話も聞いた。
余談ながら、近隣の高層建築でもこれまで何件かの飛び降り自殺があった。
そのせいなのか否か、誰言うとは無くここには幽霊が出るという話が囁かれ出した。そんな噂の中でも私が聞いて背筋が寒くなった話が二つある。それは深夜にこの建物の最上階(屋上とも)から下を見下ろすと、これまでに飛び降りた人たちの姿がありありと見えるのだという。
もうひとつは、ある人が目の前で飛び降り自殺を目撃してしまった。しかし、強か地面に打ち付けられたはずの飛び降りた男性はその場ですくっと立ち上がると何事も無かったように立ち去って行った。そんな男性の姿が何度か目撃されているらしく、自分が死んでいる事に気づかない男性の霊がここから離れられず、何度も自殺を繰り返しているのだという。
ほかにも、深夜に階段を上っていると何度上っても4階に戻ってしまい4階より上に出られない。屋上(と落下地点)に限らずエレベーターや階段にも現れるといった話などもある。
直接幽霊とは関係ないが、暴走族や非常識な若者の溜まり場となっており、現住建造物であるにも係わらず落書きだらけ(当時)、よく屋上に動物の死体が放置されている、エレベーターホールに大きな顔を描いた不気味な絵がかかっている、といった話なども聞いた。
また、それが何を意味するのかは定かではないが、屋上には人ひとりが丁度入れるほどの穴が開いているという話もある。

幽霊のせいか否かは何とも言えないが、一時期は入居者も減っていく一方であったという。
平成22年(2010)に確認した時は、大半が空き部屋で廃墟の様になっていると聞いた。
実際に私がそれらの事実(飛び降り自殺、幽霊)の有無を精査、確認したわけではないが、なんとも気味の悪い話である。

今から5~6年前(1999~1998頃)、どのような理由があったのかは分らないが、突然この建物は外壁を真っ白に塗り替えられた。確かによく見れば、各所にチョコレート色の部分が残っており、往時の面影を窺い知る事ができる。
それにしても、そんな以前に塗り替えられていたとは。どうりで探しても見つからないはずである。

チョコビルの入居者が減少した原因については怪奇現象が直接影響しているのか否かは何とも言えないが、このチョコビルが建っているニュータウン自体が入居者の減少に頭を痛めているという事実はある。
開発から50数年が経ち、昭和57年(1982)のピーク時のは人口37500人だったこのニュータウンも、建物の老朽化と入居者の高齢化により、平成27年(2015)には21000人までに減少しており、居住者のうち65歳以上の高齢者が約4割を占めているというのが実情である。

※おことわり
(1) 本記事の内容はミステリースポットの紹介として掲載をしているものであり、特定の家屋、アパート、マンション、居住者、組織(企業)、団体等の名誉棄損、誹謗中傷、および業務の妨害を目的としたものではないことをご理解ください。
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2018/03/08 加筆再編集。



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