私がオカルト好きなのを知って、友人が以前立ち読みした心霊系の雑誌にこんな話が載っていたよと教えてくれた。
その話は、ある女性が神戸市の「D病院」という病院に入院したときの体験談で、足元から青白い手が現れ掛け布団を引っ張られたという話だった。 話はその1年後にこの病院は廃業したと締めくくられていたそうだ。 短い話で、神戸市というぐらいで具体的な場所については書かれていなかったと友人は言っていた。 友人からその話を聞いたのが今から5年ほど前(平成25年、2013)だったと記憶している。
「神戸市の廃業したDという病院」、手掛かりはそれだけだった。よくある「一家惨殺の家」といった類の個人宅と違い、病院という施設ならば調べればそれなりに何らかの手掛かりは得られるのではないかと調べてみたが、「神戸市で(2013年頃以前に)廃業したDという病院」だけでは雲を掴むような話でまるで何の手掛かりも得られなかった。
数年が経ち、もはやD病院のことも忘れかけていたある日、サイトの更新をしていてD病院について書かれたメモを見付ける。
確証を得られぬまま件の資料に記載された住所を頼りにD病院の跡地を訪ねてみる。
ここが青白い手の現れたというD病院だったのか。 |