兵庫県伊丹市にある5世紀後半に築造されたと考えられる帆立貝式古墳(前方後円墳の一種)。
全長52メートル、前方部は前幅19メートル、長さ13メートル、高さ2メートル。後円部は直径39メートル、高さ7メートル。周濠の幅8~11メートル。
御願塚(ごがづか)古墳は塚口古墳群の北端に位置し、かつて御願塚古墳を中心として200~300メートルの範囲内に満塚(みちづか)、掛塚(かかりづか)、温塚(ぬくめづか)、破塚(やぶれづか)と呼ばれる陪塚(ばいちょう、ばいづか)(注.1)と思われる4基の塚が存在していた。「御願塚」の名称は御願塚とこれら4基の塚を合わせて「五が塚」あるいは「五ヶ塚」と呼んだことに由来するとされている。
明治8年(1875)に村民が政府の許可を得て発掘調査を行った。その時、地中より石室の一部と思われる石組が現れたが、作業の中断を命じられたため詳細は判明しなかった。
昭和41年(1966)3月に兵庫県史跡・文化財指定を受けた後、昭和44年(1969)に伊丹市教育委員会が第1次発掘調査を実施。以後も断続的に調査が継続されており、平成11年(1999)7月25日には伊丹市教育委員会による古墳の保全工事と周辺部の史跡公園化工事が完了、平成12年(2000)度には主墳部の保全工事が行われた。
2022/07/06 加筆再編集
注.1 大型の古墳の周囲に付随するように同時期に造られた小型の古墳。これらには、中心となる大型の古墳の被葬者の親族や臣下が埋葬されたり、被葬者のための副葬品が埋納された。
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