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国道178号線、豊岡市江野と豊岡市竹野町森本を結ぶ江野(ごうの)トンネル。その新トンネルの江野側坑門のすぐ北側に雑木と蔦に隠れるようにして、旧江野隧道の坑門がある。
昭和18年(1943)、太平洋戦争が激化する中、軍用道路として江野隧道の建設を開始。10年後の昭和28年(1953)に完成した。 江野隧道の開通は竹野町にとって山陰線の開通と並ぶ発展への大きな一歩となった。物資の輸送はもとより、バスも通る様になり、これまで豊岡市内に行くのに一日を要していたところが、バスや自家用車など車で移動することにより1時間で往復できるまでになった。 江野隧道開通から34年後の昭和62年(1987)12月、国道178号新江野トンネルが開通、(旧)江野隧道はその役割を終えた。 現在はトタン板の様なもので封鎖されていて中の様子を伺い知る事は出来ないが、隧道内部は岩肌がそのまま剥き出しだったという話を聞いた。 坑門を見る限り、大型車はおろか普通車同士の離合も厳しいのではないかと思うほどに狭い。 構造的な問題なのか幽霊が出るからなのかは定かではないが、旧隧道で事故が多発するために新トンネルが造られたという話もある。
この旧トンネルには22時から深夜1時頃に白い女性の幽霊が現れるという話があり、地元では知られた話らしい。 どちら側の坑門なのかは分からないが、閉鎖された坑門の前にフランス人形が置かれていたという話を聞いた。森本側坑門なのか(私が訪れたのは江野側坑門)、或いは何年も昔の話なのか、私が訪れた時にはフランス人形を見付けることは出来なかった。
2020/11/02 加筆再編集。 2024/10/09 加筆再編集。 |