ホテル 宝山閣

ありし日のホテル宝山閣
兵庫県宝塚市に「ホテルホウザン」という名前のラブホテルの廃墟が在った。
前身であった「ホテル宝山閣」は老舗の温泉旅館で、大正2年(1913)頃の旧宝塚温泉街を描いた地図にも「宝山」とその名前が記されているほどであった。
最盛期の旧宝塚温泉街は観光ホテル・旅館街として20数軒のホテルや旅館がひしめき合っていたが、平成11年(1999)にはわずか4軒にまで激減している。
そんな中、いつ頃の事か定かではないが老舗ホテル宝山閣はラブホテルに転向する。
経営者が変わったのか否かは定かではないが、温泉旅館時代の名前を引き継いでいることから業種の変更という形を取ったのかもしれない。
しかし、経営不振から昭和末期から平成初頭頃に廃業。その後、建物は放置され荒れるに任せ、やがて廃墟となったホテルは地元では心霊スポットとして有名になった。

宝塚市の心霊スポットとしてはそれなりに有名だったという事は聞くのだが、残念ながらそこでどのような怪現象が起こるのか等の具体的な話にはあまり辿り着けなかった。
そんな中で私が聞いた話をいくつかあげると…
どの時代の頃の話なのかは定かではないが、これまでにここで何組かの自殺があったという。
それに関係が有るのか無いのか、廃墟となったホテルの中で写真を撮ったところ、白いモヤのようなものが所々に写り込んでおり、よく見るとそれらひとつひとつの中に人の顔が写っていたという。
他にも、廃墟の中にあった電話番号を見て、冗談で電話をかけたところ「はい、ホテル宝山閣です…」と電話が繋がったという話等がある。
ここには「丸の部屋」と呼ばれるいわくつきの部屋があったそうだが、詳しい事は分からない。

平成7年(1995)1月の阪神淡路大震災で大きく損傷を受け、平成11年(1999)頃、解体撤去された。
平成24年(2012)、跡地には高層マンションが建設された。
心霊スポットと呼ばれた廃墟となったラブホテルの存在を知ってか知らずか、今ひとつ入居応募者が少なく不動産業者は頭を痛めているとも聞いた…(当時)
今も尚マンションには成仏できない霊が現れるという。

余談だが、同市内には「ホウザンジ病院」という廃病院(心霊スポット)が存在するという話も聞くが、同ホテルと名称が酷似していることから、同ホテルの事を混同したものかとも思われる。

画像提供:西治 様 (管理人が画像を加工しています)






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