伊丹坂トンネル

伊丹坂トンネル
伊丹(いたみ)段丘の東端に『攝津名所圖會』(せっつめいしょずえ、寛政8年(1796年)- 寛政10年(1798))にも描かれた西国街道の難所、伊丹坂がある。
そこから東南に直線で150メートルほど、兵庫県道13号尼崎池田線(通称 産業道路)が伊丹緑地の下を潜るようにして伊丹坂トンネルという小さなトンネルになっている。
トンネルの上の緑地には、『拾遺愚草員外』(しゅういぐそういんがい、成立年時未詳)に収録されている藤原定家の「ゐなやまの山のしづくもいろづきて しぐれもまたずふくるあきかな」の句が刻まれた碑(昭和59年(1984)建立)が建っている。
トンネルと言っても県道の下り線(北行き車線)のみにあり、 坑内右側は閉じておらずシェッド(注1.)のようになっている。

明確な時期は定かではないが、70年代末期から80年代初頭頃、ここ(トンネル内かトンネルの上の緑地なのかは不明)で首吊り自殺があった。
以来、このトンネルで幽霊が現れるようになったという。

伊丹坂トンネルは、兵庫県の「道路施設ネーミングライツパートナー」(注2.)で、同市に本社を置く伊丹産業株式会社(伊丹市)がパートナー企業となっているため、現在「伊丹産業(株)伊丹坂トンネル」という名称になっている。

参考データ
路線名兵庫県道13号 尼崎池田線
延 長42.0m
幅 員11.65m
高 さ4.7m
竣 工昭和57年(1982)3月
施 工前田建設工業株式会社

注1. 雪崩や落石、土砂崩れから道路を守るために作られたトンネルに類似の形状の防護用の建造物。覆道、覆い工、洞門工、シェッド、シェードともいう。雪対策のものをスノーシェッド、岩石対策のものをロックシェッドといい、両者を兼ね備えるものもある。
注2. 道路施設ネーミングライツパートナーについて(兵庫県ホームページより)
    https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks11/hodoukyou.html 






本ページはフレーム構成となっております。
左端にメニューが表示されていない場合はこちらからどうぞ。