Aの像
―マリアかもしれない―

今から30年以上前の話。
私の生まれ育った町には、Aという学校がある。その敷地内、あるいはすぐ近くにある“何か”の像が「涙を流す」「手が伸びる」という噂があった。

A校はカトリック系の修道会を母体としており、修道院を中心に幼稚園から順に小学校、中学校、高等学校が建ち並んでいる。
「涙を流す像」と聞いてまず思い浮かぶのは、聖母マリア像ではないだろうか。(しかし、マリア像の手が伸びるといった話は聞いたことがない)
海外には涙を流す(流した)マリア像の話がいくつかあり、日本にも同様の話がある。
秋田県秋田市にある「カトリック聖体奉仕会修道院」の「秋田の聖母マリア」は昭和50年(1975)から同56年(1981)の6年間に101回涙を流したという。海外では、イタリア・シチリア島の「涙の聖母聖堂」(Basilica Santuario Madonna delle Lacrime)の「涙の聖母」(”Madonna delle Lacrime”)、フィリピン・セブ島の「シマラ教区教会」(Simala Shrine)の「奇跡の聖母マリア像」(”Mahal na Birhen ng Simala”)、メキシコのコリマ州エル・チャナルの教会にある「悲しみの聖母」(”Virgen de los Dolores”)などが、涙を流す(流した)マリア像として知られている。
実際にA幼稚園の園庭にはマリア像、A高校の敷地内には「ルルドの聖母(”Our Lady of Lourdes”)の御像」と思しき像が安置されているようだが、詳しいことは分かっておらず、これが噂の主なのかどうかも定かではない。
また、新造された体育館東側に「イエスの聖心(みこころ)の像」(”Sacred Heart Statues””Statue of the Sacred Heart of Jesus”)があるが、こちらは平成9年(1997)に安置された比較的新しいものである。

昔の話であることに加え、それが何の像なのか、どこにあるのかさえ定かではない。
30年以上が過ぎた今もなお、その真相は不明のままである。

※おことわり
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