マンション M

兵庫県某所、墓地と隣接して建つ7階建てのマンションがある。
エントランスは墓地の反対側に設けられていて、墓地に背を向けるような立地となっている。当然と言えば当然なのだろう。
このマンションでは建設された直後から奇妙な噂があった。 半透明のぼんやりした人影が歩いている、叫び声を聞いた、人の気配がないのにどこからかひそひそと話す声が聞こえる、誰もいないはずの部屋から人の気配がする、ラップ音がする、そんな奇妙なことが特定の階でだけ起こるという。 具体的な階数は不明だが、墓地が見渡せる階という事だった。
幹線道沿いという立地や、マンションという性質から考えて、一概にこれらの奇妙な出来事(例えば、叫び声やひそひそと話す声)すべてが心霊現象であるとも言えないが、実際に不思議な体験をした住民も多いという事だ。

真偽の程は定かではないが、このマンションが建っている場所はかつて隣接する墓地の一部であったという話がある。
土地の所有者が手放したのか、建設業者が買い取りを申し出たのかは定かではないが、それまであった墓地を整備して現在の場所に集約。空いた土地にマンションが建設されたという。
また、近傍には古墳が散在していることから、ここにあった古墳を切り崩して墓地にしたという噂もあるが、事実確認には至らなかった。

周辺は年神、穀物の神を祀る神社がある山であったが、開発により造成され僅かに高台となって残っている。
平安時代、日宋貿易の拡大を図った平清盛が経ヶ島築造のため塩槌山を切り崩し土砂を運び出した。しかし、塩槌山には大己貴命が祀られていたため、その怒りにより暴風雨が起こり工事が難航したという話を思い出した。
家臣、阿波民部重能の進言を受けた清盛は新たに社殿を造営し、塩槌山に祀られていた大己貴命を改めて祀り、経ヶ島の完成と港の安全を祈願したとされる。これが現在の七宮神社(神戸市兵庫区七宮町二丁目)ということである。
しかし、残念ながら私の知る限り先述の年神、穀物の神が何処かに改めて祀られた、合祀されたという話は聞いていない。
或いはこのことも何か影響しているのだろうかと考えるのは考え過ぎだろうか。

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