兵庫県姫路市にある名古山霊苑の下を貫通する名古山トンネルには奇妙な噂がある。
僅か100メートルほど160メートル（2019.10.01 訂正）の短いトンネルなのだが、墓地の下を通るトンネルだけあって、奇妙な話には事欠かない。
ここで怪奇現象に遭遇したという話をいくつか聞いた。
ある人が深夜にバイクで此処を通った時のこと、すぐ向こうに出口が見えているにもかかわらずいくら進んでもトンネルを抜けることが出来ない。恐くなったその人はアクセルをふかし一気にトンネルの出口を目指すのだが、まるでバイクが宙に浮いているかの様にそこから全く前に進まない。暫くしてやっとの思いでトンネルを抜けた時には3/4ほどあったガソリンが1/4ほどまでに減っていたという。
また、あるタクシーなどはお客を乗せて深夜にこのトンネルを通った時、先のバイクのようにいくら走ってもトンネルを抜けることが出来ず、まるで宙に浮いている様に同じ場所でタイヤのみが空転し、いくら走り続けてもトンネルを抜けることが出来ず、やっとの思いでトンネルを抜けて目的地に着いた時にはいつもの数倍の料金をメーターが示していたという。
他にも、走行中、車の上に幽霊が落ちてくると言った話（注.1）、雨の日の午前2時頃に歩いて通るとトンネルの天井から呻き声や泣き声が聞こえてきたり、天井から人の手足がぶら下がっているのが見えるという話がある。
これらの話を聞いて私が思ったことは、一つの奇妙な共通点があるという事だった。
それは、共に墓地のあるトンネルの天井側が関係しているという事。バイクや車が宙に浮いたり（＝持ち上げられたり）、天井から声が聞こえたり手足が見える、それはもしかすると墓地に眠れる魂たちの悪ふざけなのか、あるいは墓地に集まる霊たちがこの世の者を呼び寄せようとしているかの様に思え、そんな事を考えると少々背筋が寒くなってくる。
他にも、男の子の幽霊を見たという話、深夜ここを通っていてルームミラーを見ると幽霊の姿が映った（車内に見えたのか、後方に見えたのかは不明）という何処かで聞いたことのある様な話から、深夜、ここを対向車も後続車も無い状態で通過するとトンネルの出口に女の幽霊が現れて事故に遭うという話などもある。
誰かのイタズラと思われるが、トンネルの丁度中間辺りに人形が長い間置かれているのを見た人もいたという。
対向車、後続車云々の話に関して少し違和感を感じたので、大人気無いとは思いつつ少しばかり…
まず、僅か延長160メートルなので後続車がトンネル内にいない状況も全くないとは言えないのではないだろうか。次に、名古山トンネルは北行き2車線、南行き1車線で構成されており、北行き、南行きそれぞれの車線が壁で仕切られ独立している。つまり、対向車の有無は走行中には確認できないのである。
名古山トンネルの100メートルほど南にある「薬師山トンネル」が名古山トンネルと間違えられることがよくある。
（薬師山トンネルを名古山トンネルと思っている方は意外と多い。）
国道2号線から北上して最初に通過するトンネルは薬師山トンネル（350メートル程度）（425メートル（2019.10.01 訂正））で、トンネルの上には琴陵中学校があり、薬師山トンネルの次に通過する長さ僅か100メートルほど160メートル（2019.10.01 訂正）の短いトンネルこそが名古山霊苑の下を通過している名古山トンネルである。
薬師山トンネルは距離もそこそこあり、内部は交互通行となっていることからも、対向車、後続車云々の話は薬師山トンネルと名古山トンネルが混同されているものと思われる。
しかし、そうなると怪奇現象が起こるのは名古山トンネルのみならず薬師山トンネルでも起こっているということになる…
注.1 走行中の車の上（フロントガラスやボンネット）に女性の幽霊が落ちてくると言った話は、東京都渋谷区にある墓地の下を通過する「千駄ヶ谷トンネル」、神奈川県鎌倉市にある火葬場の下（正確には火葬場の傍）を通過する「小坪トンネル」にも存在する。
| 参考データ |
| 延 長 | 160.0m |
| 竣 工 | 昭和59年（1984） |
2019/10/01 加筆再編集。
2021/11/26 加筆再編集。
2022/08/10 追記
2004年08月24日。カルマ様より次のような情報をお寄せ戴いた。
（弊サイト掲示板より引用）
私は姫路に住んでいてよく名古山トンネルをとうるんですが・・・
最近二度もほぼ同じトンネル内(車線はちがいますが)で原付が故障しました。
たんなる偶然だろうと思うのですがこのサイト見た時ショックでした。
まさかそんなうわさがあったとはおどろいてます。
てか霊園の墓の前と火葬場なんてほぼ毎日よこぎっているんですが・・・(汗)
ちょっと霊園のがこわくなりました。
