おとっさん

おとっさん
「おとっさん」と呼ばれる小さな神社のそばでは白い着物を着た女の人の幽霊が現れるという。
おとっさんというのはこの辺りの方言だそうで、大歳神を祀る神社をそう呼ぶのだそうだ。

おとっさんという名前だけを手掛かりに町内を探策するもまったく分らない。そこで派出所で訪ねてみる事にした。
派出所には年配の相談員という方が居られた。おとっさんの所在を訪ねてみるが、その方も2、3年前に配属されたので小さなお社までは分らないといいながらも、住所録のようなものを広げ番地を探してくれた。
二人で地図帳を広げ探すこと数十分。ようやく番地からその神社の所在が判明。丁寧にそこまでの道を教えて戴いた。
教えて戴いたとおりに行ったつもりなのだが、昔ながらの町並みに細い道が入り組み、容易には探せない。何度となく人に尋ね、ようやくおとっさんに辿り着く。
細い道の突き当たり、石造りの鳥居をくぐると中央に小詞が鎮座する。
こじんまりとした境内は児童公園のようになっており、周囲には遊具なども見られる。おおよそ幽霊とは似つかわしくない風景だった。
しかし、細い道の入組んだ突き当たり、夜ともなればまた昼間とは違った顔を見せるのだろう。
夜にその神社の前を通ると見える人には見えるのだという。見えるという事は、その人と霊の波動(波長)が合うという事らしく、その女性(の幽霊)はその人に付いて来る事もあるそうである。
神社という場所柄、彷徨える浮遊霊が救いを求めて集まって来るのだろうか。






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