兵庫県加古川市志方町を南北に走る兵庫県道515号小原宝殿停車場線と東西に走る兵庫県道65号神戸加古川姫路線が交差する「志方皿池」交差点の北に、交差点の名前にもなっている「皿池」という大きめの農業用水池がある。皿池という名前の池は日本各地にあり、平地の窪地の周囲に堤防を築いて造られたため池をこのように呼んでいる。
今から25~30年ほど前(1981~1976頃)の事。
この池の側を走る県道で免許取立ての高校生による人身事故があった。被害者は即死だったらしい。
偶然なのか、待ち合わせでもしていたのかその辺りの事情は定かではないが、事故で亡くなった被害者は車を運転していた高校生の同級生だった。
恐怖のあまり気が動転した高校生は有ろう事かその同級生の遺体をこの池に放り込んだ…
やがて冬が来て、用水池の水を抜いた時に行方不明になっていたこの被害者の高校生の遺体が発見され、事実が明らかになったという。
疑問を感じる点が幾つか無いではないが、話してくれた方(仮にK氏とする)は到底嘘や冗談を言っている感じではなかった。
その事と前後するようにして、この池の傍らでは幽霊がよく見られるようになったという。
そして、事故で亡くなった高校生の供養のために池の傍らに地蔵尊が建立されたのだという。
実はこの話には後日談がある。
私はその話を教えてくれたK氏に案内してもらったのだが、私がK氏に案内されて現地を訪れた時には事故で亡くなった高校生の供養のために建立されたという比較的新しい地蔵尊が無くなっていた。
私は実物を見た訳ではないので何とも言えないが、K氏は確かに池のすぐ横の歩道に(地蔵尊が)有ったという。
(物と言う表現は適切ではないが)物が物だけに簡単に場所を移したり、誰かが持って行ったりはしないと思うのだが。
辺りを探すと、池の中に突き出すように小祠に納められた古い時代のものと思われる地蔵尊が祀られていた。疑うようで申し訳無くは思ったのだが、再度K氏に確認してみても、確かに比較的新しい地蔵尊を見たと言い、思い違いではないという答えだった。
参考データ |
国コード | 282100302 |
兵庫県ID | 21030214 |
築造年代 | 江戸時代以前 |
型 式 | ゾーン型(傾斜遮水ゾーン型) / 皿池 |
天 端 幅 | 3m |
堤 高 | 4.1m |
堤 頂 長 | 100m |
総貯水量 | 10000m3 |
満水面積 | 0.68ha |
(参考:『兵庫県「ため池の保全等に関する条例」』、『兵庫県「ため池データベース」』、「全国農業用ため池マップ」)