三軒家

三軒家 この話は地元と私の友人たちの間ではかなり有名な話なのだが、私の友人たちは極力その話に触れたがらず、いつしか「語る無かれ、聞く無かれ」となっていた。
もっとも、友人の中には私がオカルト好きなのを知っているので、「是非命がけで取材して、HPにUPして欲しい」という者もいた。
それに唆(そそのか)された訳ではないが、以前よりかなり危険だと聞いていたので、それならば尚のこと訪れなければと思う私はやはり救い様が無いのだろう。

さて、前置きが長くなったが本題に移るとしよう。
それは兵庫県のBという町の川に面した所に建つ古い三軒の廃屋である。
この廃屋は三軒の家が長屋のようにつながった造りで、俗に「三軒家」若しくは「F(地名)の三軒家」と呼ばれていた。
見るも無残に朽ち果てたその建物は、私が聞いた話によると30数年前には既にあったというので、それ以上の月日が経っている事は確かだった。ただ、いつの頃から人が住まなくなったのかについては解らなかった。

この三軒の家にどのような曰く因縁があるのかは解らないが、ここに住むと必ず不幸になり、必ずといって良いほどに不遇の最後を遂げると言われ、これまでに何人もの人がここに入っては出て行ったという。
いわゆる“呪われた家”と呼ばれる類のものは、墓地を造成して建てたとか、凄惨な事件の舞台になったとか、真偽の程は別にして往々にしてそういった因縁話が付き物なのだが、ここに関してはそういった類の話は聞くことが出来なかった。
しかし、それ故に考え様によっては尚の事気味が悪い。
明確な因果関係が解らないのに、住む者を不幸にしてしまう呪われた家なのである。
ある人は重い病気にかかり、ある人は病気で亡くなり、またある人は莫大な借金を苦に自殺したと言われる。
そのような事が何度か続き、遂には誰も住む人がいなくなり、やがて荒れ果てていったという。
今から何十年も前に、ここに“探検ごっこ”で入った子供がちゃぶ台の上に位牌が置かれているのを見たことがあったという話も聞いた。おそらくは誰かのいたずらとは思うが。

私がそこを訪れた時には、そう広くない庭には木が伸びるがままに生い茂り、窓は割れ、壁の其処彼処が剥落し、木造モルタル造りと思われるその廃屋は、いつ崩れだしても不思議ではない有様だった。
そして、三軒それぞれの家の玄関という玄関には不法投棄のごみが堆(うずたか)く積み上げられ、入る入らない以前の問題であった。
それなりに市街地であるここは、隣にはコーポラスと呼ばれるような建物があり、周囲も普通に何処にでもあるような住宅街なのである。それなのに、この一角だけが違った空気に包まれている。
生い茂る木々の中、壁の剥げ落ちた朽ちた廃屋、堆く積み上げられたごみの山…
勿論、これまでに何度か(この廃屋を)撤去しようという動きはあったらしい。しかし、撤去しようとすると必ず不吉なことが起こり工事は中断を余儀なくされるのだという。
以来、誰もタタリを恐れこの家を壊そうとせず、結果現在にいたっているのだという。

尚、直接関係があるのか無いのかは解らないが、この「三軒家」の事を調べていて聞いた奇妙な話を書き加えておこう。
◇かつてこの辺りに屠殺場(屠蓄場)があったという。
◇この三軒家のすぐ傍の児童公園で以前焼身自殺があったという。
◇すぐ前を流れる川は一時期汚染が酷く、躰の曲がった奇形のフナ、顔の変形した奇形の食用ガエル、首の二つ有るカメ等が捕れた。(この話については事実確認済みである)


2017/04/18 追記。
平成15年(2003)に解体整地され、その後住宅が建築されている。

三軒家の画像はこちら(外部リンク)
【 Ruins 】 ⇒三軒家





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