大正時代(1912~1926)初め頃、美嚢郡志染村大字戸田(現 三木市志染町戸田)に住むある男の家での出来事だった。
ある夜のこと、男が目を覚ますと縁側の方からぼんやりと明かりが射し、大勢のざわざわとした音が聞こえてくる。明かりの射す方を覗くと長い縁側に僧侶と思しき人たちがずらりと並び座敷に向かって思い思いに意味不明な事を話している。 黒い衣、紫の衣、様々な衣を身に纏った僧侶のような人々をよく見ると、それは男のご先祖様だった。 居並ぶ人々の中には祖父母、両親の顔もはっきりと見て取れたという。 恐ろしさの余り男は、ただただ手を合わせ一心不乱に念仏を唱えるしかなかった。 やがて、東の空が白み始めるとご先祖様の幽霊も消えて行った。
恐ろしくなった男は、親類を呼んで家に泊ってもらう事にした。
末筆となりましたが、本項は Nightmare 様(from
Nightmare's Psychiatry Examination)のご厚意により、お寄せ頂きました未公開原稿をそのまま掲載させていただきました。 |