JR灘駅の近く、神戸市立更正センター傍らの小さな土地に大きな石碑がある。道路側からは見えないが、回り込むと中央に大きく「布敷首霊地」と刻まれている。
いつ頃誰が言い出したのか定かではないが、その昔、この辺りは処刑場(或いは獄門台)があって、布を敷いた上に(処刑された者の)首が晒されていた場所(=霊地)であった、その供養のためこの碑を建てたといった噂があるようだ。 また、春日野道に春日野墓地や火葬場があったのもそれに関係があるのではという話であった。
この話は「布敷首霊地」という文字から出来た噂であろうことは想像に難くない。
処刑場或いは獄門台という話については、私が調べた限りではこの辺りに処刑場あったという事実は確認できなかった。
墓地に関しては、春日野墓地の起源は古くは江戸時代初期の寛永年間(1624~1645)にまで遡るが、前述のように処刑場或いは獄門台は当地には無かったと思われ、処刑場云々と墓地に直接の関係は無いと思われる。
以上のことを踏まえ、ここが処刑場であったとか、それに由来する心霊スポットではないことはお分かり頂けたことと思う。
注1. 昭和10年(1935)、阪急電鉄の三宮乗り入れ工事の際に割塚古墳は取り壊された。現在石碑が立っている場所は割塚古墳があった場所から西南に20メートルほど移動している。 |