四つん這い

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それは幽霊と言うよりは、妖怪と言うべき存在なのかもしれない。
加古川市のある町には、深夜、四つん這いになった人間(?)の様な物が奇声を上げながら走り回るという話がある。
にわかには信じがたい話であり、都市伝説の域を出ない話と思われるが、「四つん這いの幽霊」の話は都市伝説を含め全国各地に広く分布している。
思い付くものを列記すると、中国人殉難烈士慰霊碑(通称 中国人墓地)(北海道上川郡)、三内霊園(青森県青森市)、正丸峠(埼玉県飯能市・同秩父郡)、畑トンネル(埼玉県飯能市)、旧本坂トンネル(静岡県浜松市・愛知県豊橋市)、念仏峠(京都府舞鶴市)、滝畑ダム(大阪府河内長野市)、生野峠(兵庫県朝来市)、鐘ヶ坂隧道(通称、明治トンネル)(兵庫県丹波市・同丹波篠山市)、六甲山の牛女(兵庫県神戸市)、六甲山のターボババア(兵庫県神戸市)、己斐峠(広島県広島市)などがある。

一説に、これら四つん這いの幽霊(妖怪?)は姿こそ人間の形をしているが、もはや人間の霊(=幽霊)とは違った物という話や、人間の霊と動物霊が合わさった物という話もあるようである。
四つん這いの幽霊の話がいつ頃から登場したのかは定かではないが、古くは映画『エクソシスト』(1973)に登場したブリッジの姿勢で階段を降りる(スパイダーウォーク)少女リーガンから、ゲーム『バイオハザード』(1996)に登場するクリーチャー「リッカー」、同じくゲームの『サイレントヒル ホームカミング』(2008)に登場するクリーチャー「スカーレット(第二形態)」等に見受けられるように、二足歩行である人間(或いはそれに近い形態の物)が四足歩行をするという事はある種の非日常であり、加えて、上記の“スパイダーウォーク”やクリーチャーの動きに見られる蜘蛛にも似た動き、そこに生じる違和感や恐怖感がこれら四つん這いの幽霊を生み出したのかも知れない。






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