メットコーナー

ご投稿 : S 様

木の枝に掛けられたヘルメット (S様からお聞きした話)
それは、「ぜんそくセンター」を探した帰路、冗談半分でメリーさんの館を探しながら六甲山を走っていた時のこと。
S様が「“メットコーナー(カーブ)”ってご存知ですか?」と言われた。
初めて聞いたその話に私は興味津々で聞き入っていた…

それは今から15年程昔の話、六甲山のこの辺りはワインディング(カーブ)の連続で、バイクに乗った“走り屋”達がハングオンしながら抜きつ抜かれつという壮絶なバトルが連夜のように行われていた。
そんな走り屋の中でも、“六甲山最速”と呼ばれたライダーがいた。走り屋達は誰もが彼を尊敬し彼をライバルとしていた。
ある日、彼がいつもの様にコーナーを攻めていた時のことだった。
「カーブNo.22」ここが彼の運命の場所となった。
いつもなら難なくクリアできたはずのコーナーで彼は横転、そのまま対向車に激突。すぐさま病院に搬送されたが彼は帰らぬ人となった。
その後、彼の死を悼む人達により、そして偉大なライダーの存在の証として、彼が亡くなった場所の脇の雑木林の木の枝に彼が愛用したヘルメットが掛けられた。
そのヘルメットは今もこのコーナーを走り抜けてゆく数多くのライダー達を雑木林の中から静かに見守るように木の枝に掛けられている。ただ、ヘルメットに触れたり、外そうとしたりすると必ずタタリがあるという話である…



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