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鳥取市街地の東方、鳥取県庁の背後にそびえる久松山の尾根続きに雁金山(正確には「天徳寺山」、雁金山はその西の頂)と呼ばれる山がある。山頂には高さ16.5メートルの巨大な「鳥取市平和祈念塔」(昭和34年(1959)建立)が建っている。
鳥取市のHPによると、昭和27年(1952)の鳥取大火を契機に、天変地異を免れ、平和を求める市民のよりどころとなるように全国各市からよせられた善意と合わせて建立されたもので、天正8年(1580)の鳥取城攻めをはじめ長い歴史の中で、戦いや天変地異によって犠牲となった人々の霊を慰めるためのものという。 この雁金山の南麓から天徳寺通りを上って行くとコンクリートの小さな要塞?の様な物が見える。久松山ロープウェイ山麓駅跡だ。久松山山頂に存在した鳥取城天守の復元を見込んで昭和44年(1969)開業するが、山麓駅が不便な所にある所から客足が減少し、7年後の昭和51年(1976)廃止となった。 ロープウェイ山麓駅を過ぎると、左手に「平和塔入口」の看板と共に「NHK連続テレビ小説 虹 記念碑」が見えてくる。 そこから50メートルほど先の薄暗い雑木林の中にぽっかりと円護寺隧道が口を開けている。
南側には最勝院の墓地、北側には円護寺の墓地という立地もここが心霊スポットと言われる一因となっている。
円護寺隧道の傍には第二次世界大戦でビルマ戦線に従軍した鳥取、兵庫両県出身者より編成された歩兵第121連隊及び同隊が所属した第54師団の英霊2900余名を祀る「ビルマ方面戦没者慰霊塔」(通称「鳥取パゴダ」、昭和31年(1956)建立)、「未引揚海外死没者慰霊碑」(昭和32年(1957)建立)がひっそりと佇んでいる。日本兵の幽霊の噂は、これらの慰霊碑を見た誰かが言い出したのかも知れない。
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