三角屋敷

三角屋敷 東海地方のある町に「三角屋敷」と呼ばれる一軒の廃屋がある。
家の建っている土地が三角形であることから三角屋敷、或いは三角の家、また、地名を冠して J (地名)の三角屋敷や J (地名)の家、その外観から黄色い家、イエロー・ハウス等とも呼ばれている。
比較的交通量の多い道路に面して建つ三角屋敷は、荒らされていなければ一見普通に見えるパステルイエローの家。ここが“東海地方最恐”とも“中部地方最恐”とも言われてる心霊スポットとは、その外見からだけでは想像が付かない。

どこまでが事実なのか分からないままでこの様なことを書くことは躊躇われるが、私が実際に現地を訪れて聞いた話とネット等で得た情報をまとめると、この家が心霊スポットとしてあまりに有名になり過ぎた結果、様々な噂が広まり、それが人から人に伝わるうちに更に話に尾鰭背鰭が付いて、何時の間にかどこまでが真実なのか辿れないまでに話が誇張されてしまっている感があった。

以下に書く話はそれらを総合して私なりに纏めたものであるが、様々に派生したバリエーションがあり、更に様々な付会が行われたと思われ、どこまでが事実なのかは詳らかでなく、その中には事実もあれば事実誤認や虚構もあり、飽く迄心霊スポットに纏わる怪奇な話としてご覧戴きたい。

この三角屋敷の建っている場所周辺は元々墓地であったという。
いつの頃のことか定かではないが墓地が移転となり、その後、更地となった墓地跡に老婆が小さな青果店を構えていたらしい。更にその後、この青果店が立ち退きとなり、周辺は住宅地となり、ここに数軒の住宅が建てられた。
そもそも、この墓地を移転、整地した時に十分な供養を行っていなかったために、後々この家が相次いで怪奇現象に見舞われる原因になったという話もある。

三角形の土地という事から現在の三角屋敷が建っている場所だけが売れずに残っていたが、ある女性が定年退職した親のためにとこの家を購入。しかし、どのような事情が有ったのかは定かではないが、親はこの家に入居することなく売りに出されたという。
また、この話とは別に、今から25年以上前(1980年代以前頃)、ある若い夫婦がこの土地を購入し家を建てたという話もある。(真偽のほどは定かではないが、どのような理由からかこの家を建てるにあたり二度工事が中断しているという。)
その後、この家の主人がギャンブルに狂い多額の借金を抱えることに。遂に、妻は何度も借金を繰り返す主人を刺し殺し、自らもその命を絶ったという。私の確認した中ではこれが最も事実に近いようである。
しかし、最初の住人の死亡については諸説あり、バブル期にサラリーマン夫婦がこの家を建てたがローンが返済できず心中したという話、心中ではなく夫婦のどちらかが自殺したという話、夫婦ではなく一家心中だった、事件では無く突然死だった、原因不明など様々な話もあり、どれが事実なのか定かではない。
事件、事故、自殺等何れも事実確認がとれていないので明言は出来ないが、最初の住人が何か普通ではない亡くなり方をされた事は想像に難くない。
ただ、これらの三角屋敷にまつわる因縁話の大半はギャンブルで多額の借金を抱えた主人を妻が刺殺後、自らも命を絶ったという話(真偽不明)がベースになったのではないかと思われる。

十分に供養せずに墓地を移転した祟りなのか、不幸な最後を遂げた夫婦の無念の思いなのか、この家に幽霊が出るという噂が囁かれ始めたのはそれから間も無くのことだった。
住人の死後、そんな様々な噂を知ってか知らずか何度かこの家に入居する人がいたが、何れも僅かでこの家を後にする。
飽く迄噂だが、最初は住人が亡くなり5~6年が経過した頃という、ある夫婦がここに入居するが半年ほどで家を出る。一説には精神疾患を患い入院したともいう。
次の入居者も一年ほどで家を出た。
その後も何度と無く人の出入りがあり、これまでに合計4~5回の入居があったが、何れも早くて三日、長くても一年と持たなかった。
(未確認だが、最初の住人の死亡後、6回(いずれも夫婦)の入居が有ったという話が有る。)
自殺、事故などの不幸に見舞われここを後にした方もいれば、転出の理由として「幽霊が出る」という事を挙げていた人もいたという。
そして、この家には誰も住まなくなり廃屋と化していった。

不幸に見舞われるのは、何も住人に限ったことではない。
(諸説あるが)この家の住人が心中した時の話。
事件の一報を受け駆け付けた警察官二名(現場検証のために訪れた警察関係者とも)が精神に異常を来し、一人がそのまま絶命、もう一人は一命は取り留めたものの廃人となり生涯を病院で送ることになったという。
この家を訪れた警察官が精神に異常を来したという話にはその他にもいくつかのバリエーションが有り、以下の様な話も存在する。
(1)この家の何代目かの住人が原因不明の失踪を遂げたため、事情聴取のために訪れた警察官二名のうち、一人は廃人となり生涯を病院で送ることに、もう一人は消息不明のまま未だに発見されいないというもの。
(2)誰も居ないはずのこの家の二階で、たびたび人影を目撃したとの近隣住民からの通報を受けた警官三名が確認のために中に入ったところ、二人は廃人となり生涯を病院で送ることに、もう一人は記憶喪失廃人となっていたというもの。
(3)ポルターガイスト現象等の異常に悩まされた住人から連絡を受けた警察官二名が確認のためこの家に泊まったところ、一人は廃人となり生涯を病院で送ることに、もう一人は消息不明のまま未だに発見されいないというもの。
(4)何年か前(詳細不明)に廃屋となったこの家に肝試しに侵入した若者が霊に憑かれ異常な行動を取ったため、通報を受けた警察が出動。
駆け付けた警察官は、「誰だ!誰だ!」と誰もいない庭先に向かって叫んでいたという話もある。この警察官は、その後精神病院に入院することになったというもの。
(5)誰も居ないはずのこの家から夜な夜な変な物音がするとの近隣住民からの通報を受けた警官が確認のために中に入ったが、5分ほどで逃げるように飛び出してきたというもの。

職務で訪れた警察官にさえ否応なしにこの三角屋敷の呪いは襲い掛かるのだから、好奇心でここを訪れる者を放って置く訳が無いのだろう。
前述の警察官の話とほぼ同じ様な内容だが、ある時、肝試しに入った四人の若者がいた。果して、肝試しに入った四人の若者のうち二人が精神病院に入院、一人が記憶喪失、そして一人が何も無い所で事故死をするという凄惨な結果となった。
また、この話と同じ話なのか別の話なのか分からないが、肝試しに来た三人の若者のうち二人が精神病院に入院、一人が記憶喪失になったという話もある。

その昔、TV局が心霊番組の撮影のためある霊能者(宜保愛子であったともいう)を伴ってここに来たことがあるそうだが、その時、その霊能者はとても入ることが出来ないと撮影を拒否、結局その番組はお蔵入りになったという話もある。
また、この時の事なのか否かは定かではないが、ある霊能者がこの家に足を踏み入れた瞬間、突然異常な言動をしたためこの収録分は放送はできなかったという話もある。
前述の話と関係が有るのか無いのか分からないが、ここを訪れたある霊能者が記憶喪失になったという話もある。
過去に、名古屋テレビが制作したホラー特撮テレビドラマ「ダムド・ファイル」でもこの三角屋敷を取り上げようとしたことがあったらしいが、様々な事情でお蔵入りになったという話もある。

これまで書いたうちの幾つかが事実であるとすれば、何故次々とこの様な怪奇現象が起こるのか・・・
それはこの家の建っている土地に原因があるのだという。
この家が建っている土地は三角形をしているのだが、三角形の土地というのは地相、家相、風水ともに最悪とされ、家相では最も良くない影響力が発生するといわれ、風水的には精神疾患になりやすいということだった。
また、十分な供養を行わないまま墓地を移転させてそこに家を建てたからだという話や、三角形の土地は霊が溜まりやすいといった話、この土地が霊の通り道(霊道)になっているといった話まで聞いた。

呪われた家。具体的にはどの様な話があるのかを以下に書いて行く。
私が調べたところでは、女性と赤ちゃん、或いは女性の幽霊の話が多かった。

居住中の事例としては、
・ラップ音がする。
・ポルターガイスト現象が起こる。
・深夜に人の笑う声や2階で子供が走り回る様な音がする。
・常に人の気配がしたり、(家族以外の)何者かが家の中をウロウロしている。
・風呂場のシャワーから血が出た。

廃墟となってからの事例としては、
・2階の窓を見上げると、カーテンの隙間から真っ白な顔をした女性が覗いている。
・2階のベランダに母親と子供が手摺につかまってしゃがんでいる。
・赤ちゃんを抱いた母親が玄関の前に立っている。
・誰もいないはずの廃屋から赤ちゃんの声がする。
・庭にある石の上に子供の霊が現れこっちを見て笑う。
・庭にある石の辺りに(初代住人と思われる)中年男性の霊が現れる。
・老婆の霊が現れる。
・家屋、敷地を問わず足を踏み入れただけで呪われる。
・中に侵入して写真を撮ったところ心霊写真が写った。
・携帯電話を持って入ると携帯電話が壊れる。
・赤い火の玉のようなものが家から其処彼処に飛び出してゆく。
・解体撤去しようとすると関係者が精神に異常を来したり、事故や病死などが起こる。
・平成8年(1996)、すぐ側に賃貸アパートが建設されたが、三角屋敷のすぐ側の1階の部屋だけ入居者が長続きしない。
などといった噂がある。

そして、有名な話として2階には血塗れのベッドが今も残されているというものがある。
以前、私もその血塗れのベッドの映像(個人が撮影したものなのか、心霊関係のDVDだったのか、TVの心霊特集だったのか今となってははっきりとしないが)を見たことがある。
確かに血痕らしきシミの様なものが付いたベッドは見たが、果たしてこれが実際に心中の現場であったり何か事件や事故の現場であるのかといわれると、正直、あまりにも出来すぎていて俄かには信じられない感じだった。
また、噂では部屋中の到る所に御札が貼ってあるといった話も聞いた。

現在もボロボロになった家屋は取り壊されずそのまま放置されている。
この家がまだ住居として機能していた当時でも、ガスや水道の配管業者はこの家の施工依頼は断るほどであったらしく、また、(入居者を積極的に募集していた当時)毎年改装を試みたが、工事に携わった業者が一週間以内に亡くなるという事が起き、全く改装もままならず現在に到ったという。

建物としての資産価値は皆無の上、これまでに不法侵入も数え切れないくらいに起こっているにも関わらず取り壊されないのは、祟りを恐れて誰も手が付けられないからだという話である。

聞いた話では、旧 J 町役場の主導(?)でこれまで二度解体を試みるも、事故が発生し解体工事は中止となり、以後不動産会社が管理する事になった。
(平成18年(2006)に確認した時点では(おそらくそれ以降も継続して)、有限会社 銭○なる不動産会社が管理しているようである。)
しかし、この三角屋敷を管理していた 不動産会社の社長(当時)も変死したという。(真偽不明)

最後に。
今更改めて書くまでもないのかも知れないが、ここまで書いて思った事は額面通りに捉えれば「これまでに一体ここでどれだけの人が死んで、どれだけの人がおかしくなったのか?」という事に尽きる。
確かにそれだけの数の人間が死亡したり発狂したりしたからこそ東海地方最恐、或いは中部地方最恐といわれるのかも知れないが、聞けば聞くほど噂話に尾鰭背鰭が付いたという感が否めない・・・
加えて、私個人の勝手な推測だが「黄色い救急車」という都市伝説に代表される様に、「黄色=精神疾患」という一部のイメージから、黄色い外壁のこの家には他の心霊スポット以上に“精神に異常を来す”という話がやたらと存在するのかとも思った。

敢えて気になる事を挙げるとするなら、これも聞いた話なので真偽の程は定かではないが、平成14年(2002)の時点でこの家が200万円で売りに出されているという話を耳にしたことだろうか。
事故物件ということに加え、上物(家屋)の資産価値はゼロとしても、200万円という価格が本当であるとするなら、強ち“心霊スポット”の噂もただの風評被害によるものだけではないのかも知れないと勘繰ってしまう。

三角屋敷を撮影していると、偶然目の前を霊柩車が走っていった。

平成27年(2015)10月~11月に解体工事が行われ、現在は駐車場になっているとのこと。
ただ、今も見える人には駐車場の一番端に立っている幽霊の姿が見えるという…




以下余談。

一般に三角形の土地、或いは三角形の家はよくないと言われ、家相や風水でも最も良くない影響力が発生すると言われ、土地の場合は正方形に近付けるなど何ら補正が必要と言われている。
古くは、鶴屋南北の『東海道四谷怪談』に登場する三角屋敷(現在は深川一丁目児童遊園となっている)から、有名な所では霜島ケイの『三角屋敷の怪』などに見られるように、「三角屋敷」というものには何かしら曰く因縁があるように思える。

俗信、家相、風水それぞれに三角形の土地、三角形の家についての説明がなされているが、大雑把に纏めると次のような内容である。

住むとどのような事が起こるかというと
・トラブルや災難が続く、不幸になる。
・けがをしたり病気になる。
・精神疾患に罹る。
・交通事故で亡くなる。
・家の主が若死、早死する。
・家が衰える、絶える。
・商売をしても続かないが、葬儀屋だけは繁盛する。

三角形という土地あるいは家の形がもたらすものとしては
・風水においては、三角形に代表されるような角部や尖った形状は形殺(けいさつ、形状の殺気)と呼ばれ、自他を傷付ける作用があるとして忌み嫌われる。
・三角形の土地には邪気が集まり易い。
・三角形の尖っている部分から邪気が流れ出している。
・三角形の尖っている部分に殺気が溜まる。
・三角形の尖っている部分に霊が溜まる。
・三角形という形状には「角が立つ」「吐き出す」という意味がある。
・三角形という形は刃物の形を表している。
・三角形という形は刃物の形を表しており、手術(刃物で切る)をしなければいけないような病気に罹る。
・三角形という形は刃物の形を表しており、無意識下の恐怖心を刺激し続ける結果となる。

そのほか
・古来より三角形の土地には人が住むには適しておらず、神の土地として道祖神を祀っていた場所だという。
・三角形という形状が地磁気に影響を与え人体に影響を及ぼす。


2017/08/02 加筆再編集。
2018/04/12 加筆再編集。






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