壁の母子像

壁に浮き出した母子像 H.N.みかん様からメールで和歌山県にある「壁に浮き出した母子像」についてリポートを戴いた。
情報を提供下さったみかん様にこの場を借りて改めてお礼申し上げます。

かなり以前の話になりますが、和歌山市の県経済センタービルの地下駐車場の壁に人のような形のシミが現れ話題になった事があります。
場所は地下西側の駐車場の壁で、数年前から小さなシミはあったそうですが、昭和53年(1978)6月20日頃から突然そのシミが大きくなり、人のような形になり徐々に色も濃くなってきたそうです。
そのシミは1メートル半ぐらいまでになり、駐車場の利用者やガードマン、センターの職員たちの間から、「観音像に見える」とか「戦争で亡くなった母子が成仏出来ずに現れたのではないか」などという話がささやかれはじめました。
このシミが因縁めいて語られるには次のような理由がありました。
和歌山市は昭和20年(1945)7月9日夜、米軍の空爆を受け市中心部の68パーセントが焼失、火の海となった市内では逃げ場を求めた市民約1000人が県経済センターの西側にある汀丁公園に逃げてきました。しかし、無残にもそのうちの748人がこの公園で焼け死んでしまったということです。
そこで亡くなった人達は合同埋葬にされたのですが、その場所というのこの県経済センターの地価(原文ママ)駐車場の西側の壁のあたりだったそうです。
そして、同6月28日に県経済センターでは近くのお寺から住職を招き供養を行いました。
この事がTVなどで報道されると、県内外から一目見ようと人が集まり、僅か10日で2万人ほどの人が訪れたそうです。



2018/02/27 追記
その後、公共施設に怪奇現象の噂が立ったり、それによって多くの見物人が訪れる事は好ましくないとの県の判断により立入禁止となり、母子像が浮かび上がっていた壁にはパネルが張られ見えないようにされた。
平成22(2010)、経済センタービルは耐震基準を満たしておらず、更に建物の老朽化も進んでいたことから解体撤去された。跡地は和歌山市に無償貸し出しされ、現在は公園となっている。






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