岡山市の北部、金山(標高500m)の山頂にかつて山陽新聞社が経営する「金山休暇村」という国民休暇村が存在していた。
昭和42年(1967)開業、レジャーの多様化等から利用客が減少し平成9年(1997)に30年の歴史に幕を閉じた。平成22年(2010)頃までは建物が残っていたようで、廃墟、心霊スポットとして知られていたようである。
岡山市内を北上、金山休暇村跡に向かう道を進んで行く。山陽自動車道の下を抜けしばらく進んで行くと緩やかに道が右カーブする手前に大きな地蔵尊が見えてくる。
向かって左側に身の丈2メートル以上はあるかと思われる古い地蔵菩薩立像が一体、その右隣に比較的新しい時代のものと思われる大き目の地蔵菩薩立像が二体、一番端に小さな舟形光背の地蔵菩薩立像が一体お祀りされている。地蔵尊が鎮座している場所は金山を越える山道の入口に位置しており、往来の安全を祈願して祀られたものと思われる。
衆生の罪苦を取り払うことを本願とする地蔵菩薩だが、一番大きな地蔵尊は俗に「見返り地蔵」と呼ばれ様々な奇怪な話が語られている。
よく言われる話は、車で走行中、その大きさからつい振り返って(あるいはバックミラー越しに)地蔵尊を見てしまうと必ず事故に遭うという噂があり、誰言うとなく「見返り地蔵」と呼ばれるようになった。
その他にも、金山に登山に来た人の後ろを地蔵尊が付いて来るといった話、地蔵尊の頭だけが飛んでくる、地蔵尊の顔が突然宙に浮かび上がる、手のひらに地蔵尊の頭が乗ってくるといった話もある。
また、この地蔵尊で山越えの安否を知る事も出来るといい、金山に登る前に、地蔵尊の顔が笑っているように見えれば無事に山越えをすることが出来るが、怒っているように見えた時は災難に遭うという話もある。
ネット上でこの見返り地蔵に纏わる都市伝説の様な話を見かけたので、参考までにここに付記する。
「2ちゃんねる」(現:5ちゃんねる)オカルト板『岡山県の心霊スポット』より
340 :本当にあった怖い名無し:04/10/21 20:23:33 ID:hmPnu5mA
(一部略)
ある男が行方不明になって、数ヶ月後、友人に手紙が届く
内容は、○月○日○時に、見返り地蔵で待ってるから来てくれ。
というものだった。
指定された日時に地蔵の前でまっていたが、
いつまでたっても誰も現れない。
ふと、地蔵の後ろにダンボール箱があるのに気付く。
中を開けると、バラバラにされた男の死体が詰められていた。
という話だったんだけど、行方不明になった理由とかいろいろ
忘れてしまった。だれか補完してくれー
(引用元:https://hobby7.5ch.net/test/read.cgi/occult/1088569025/)
たとえそれらがただの噂であっても、真実であっても、誰がどのようなことを言ったとしても、今日も地蔵尊はここで往来の安全を静かに見守られている。