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令和2年(2020)2月某日、奈良まで出かけた時のこと。
原則単独では夜間に心霊スポットには行かない私だが、折角奈良まで来たのだからと現在地から比較的近いと思われる心霊スポット数か所に立ち寄ることにした。 日没後最初に目指した場所が大和郡山市にある大谷池。 集落を抜けると民家が疎らとなり、その先に軽トラックが辛うじて通れるか否かといった細い道が伸びている。真っ暗闇の中、月明りとスマホのライトを頼りに畑の中に続く一本道を進んで行く。 ![]() 暫く歩くと、フェンスが目に入る。大谷池の南東端、打樋(うてび)(注.1)の側に辿り着く。 辺りを見回すと、月明りに照らされて一基の墓石の様なものが見えた。 近隣の方がお参りされているのであろう、真新しい花が供えられていた。流石にスマホのライトで照らすことも憚られ、恐る恐る近づいて目を凝らす。よく見ると墓石の棹石の様な形の石に舟形光背の中、地蔵尊の姿が見受けられた。 この池で亡くなられた方の供養のために建立されたのだろうか。
大谷池は江戸時代中期に灌漑用に造られた人工の溜池。
余談だが愛媛県伊予郡砥部町にも「大谷池」 注.1 打樋(うてび) 降水等で満水となった池の水を流出させる水門や管のこと。 |