岡山ヘルスセンター
(西大寺ヘルスセンター、邑久ヘルスセンター)

岡山ヘルスセンター跡
邑久(おく)町の丘陵部の中央より少し北に、かつて「岡山ヘルスセンター」というレジャー施設があった。
西大寺地区に近いことから「西大寺ヘルスセンター」とも、邑久町にあったことから「邑久ヘルスセンター」とも呼ばれるが、おそらくこれは廃業後にこう呼ばれるようになったものと思われる。
開園当初は県内でも大型の遊園地であったらしく観覧車などがあった。
航空写真で見ると園内にはラジコンカーのコース等が設けられ、YouTubeに当時(昭和54年(1979)頃)の様子がアップされている。
後に園内に温泉宿泊施設、劇場、プール等が併設され、遊園地と健康ランドの複合施設の様な形となって行った。
当時の広告には竜宮門と共に三角形の屋根をした大きな建物とそこから棟続きとなった建物などが描かれ、「お子達専用プールの開設、 健康増進に特効ある〝かまぶろ〟と〝酵素温泉〟、衛生完備の大食堂」と紹介されている。
昭和40年代(1965~1974)の全盛期は岡山市内からも直行バスが出るほどの人気であったが、昭和50年代(1975~1984)に入り入場者数が伸び悩み、かつての人気レジャー施設にも徐々に陰りが見え始めたという。
資料に乏しく詳細な営業期間は不明だが、1960年代(昭和35年~昭和44年)に建設、開園されたと思われる。昭和63年(1988)に旧岡山ヘルスセンターで火災との記録があり、昭和63年には既に閉園されていたものと思われる。火災の原因は放火であったという。

岡山ヘルスセンターが心霊スポットと呼ばれるようになったのには次の様な話がある。
これは岡山ヘルスセンターがまだ現役の施設として賑わっていた頃のこと。
ある女性が観覧車の付近で焼身自殺をした。以来、観覧車に女性の幽霊が乗っているとか、園内の幽霊屋敷に本物の幽霊が出るといった噂が流れだし、次第に客足が遠のいて、閉園に追い込まれたという話がある。
また、女性が焼身自殺をした時の火が遊具に引火、瞬く間にヘルスセンターは火の海となり多くの犠牲者を出した。この事故により閉園になったという話もあるが、これは(焼身自殺の真偽は別として)恐らく火災後に後付けされたものと思われる。
他にも、ここで園長が自殺をした、社員が首吊り自殺をした、殺人事件があった、などといった話もあるが、何れも噂の域を出ないものと思われる。

廃業後、廃墟となったヘルスセンターは心霊スポットとして知られるようになり、若者たちが肝試しに訪れるようになった。
焼身自殺した女性の幽霊が出る、子供の幽霊が出る、幽霊に肩をたたかれた、廃墟の中を探索していると足音だけが後を付いてくる、数人の幽霊に追い掛けられた、停めていた車に戻ってくると小さな手形がガラスに無数に付いていていくら洗っても消えなかった、心霊写真が写った、といった話がある。
平成2年(1990)頃に解体整地され、今はほぼ当時の面影を残すものは何も残っていない。
平成7年~同8年(1995~1996)頃、解体されたヘルスセンター跡地で変死体が発見されるという事件がり、当時新聞でも報道されたというが確認は出来なかった。
跡地には現在老人ホームが建設されているとも、ロッジが建っているとも、住宅街になっているとも言われるが、私が現地を訪れた時は更地の真ん中にぽつんと建つ1軒の新しい感じのロッジらしき建物は確認できたが、そこがヘルスセンター跡地か否かは判然とせず、他は一面の雑木林の中に僅かにコンクリートの基礎部分らしき残骸を見出すのみであった。

参考:
在りし日のヘルスセンター(昭和47年以前)(瀬戸内市ホームページ 写真で見る瀬戸内市 建造物(地域の写真) より)
https://www.city.setouchi.lg.jp/site/photo/2880.html
邑久町向山旧岡山ヘルスセンター建物火災(みんなでつくるせとうちデジタルフォトマップ より)
https://setouchi-photomap.jp/img_gallery.cfm?id=1818



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