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京都府某所、市街地を少しばかり離れた丘の上に廃墟となった巨大なホテルが無残な姿を晒している。
このホテルはバブルの崩壊とともに運営母体が倒産。平成7年(1995)1月破産宣告を受け、ホテルは抵当として差し押さえられ、裁判所により競売にかけられるも、設定額が10億円超ということで買い手が付かず、徒に過ぎる時間の中廃墟として無残な姿を晒しつづけている。 廃墟となって久しいこのホテルでは、居るはずの無い人が窓に見えたとか、侵入したカップルがロビーの奥から現れた白い人影を見たとか、大勢の人が中から手招きをしていたといった話が囁かれている。また、よく聞く話だがこのホテルを訪れると、必ず帰りに車の故障や事故に遭うとも聞いた。 聞く所によると、(あくまでも噂だが)ここに現れる幽霊はこのホテルのオーナーの母親だという話である。 この母親は喫茶店を経営しながら女手一つで息子達を育て上げ、苦労に苦労を重ね相当額の財産を築き上げた。しかし、親の苦労も知らず息子たちは母親の財産を元に金儲けの話に走り、挙句にバブル景気に乗って採算の無いホテル経営に着手。そしてバブルの崩壊と共に何もかもを無くしたのだと聞いた。 そんな息子たちの親不孝を嘆いて母親の幽霊は出てくるのだという。これが本当だとしたら何とも悲しい話である。 また、このホテルが長らく解体されないまま放置されていたのは、無念のうちにここを去った従業員たちの怨みが籠っているため、取り壊そうとすると祟りがあるのだという。
その後の追跡調査で判明したこと等を追記。
その後、倒産した運営会社と同じ親会社を持つ関西の某中核企業が経営を引き継ぎ、廃業から9年を経た平成16年(2004)4月にリニューアルオープンを果たした。
※おことわり |