一の手西踏切

踏切そばの地蔵尊と五輪塔
夏ともなると海水浴客で賑わう須磨海水浴場の近く、国道2号線から北に向かうとJRの小さな踏切がある。
車が通れないほど狭いという訳でないが、離合するには幅員が狭いからか出入口には車止めがしてあり車の通行はできない。
複々線(2組の複線軌道が敷設された線路)で、4本の線路を横断するため長さが約40メートルほどあり、前述したように歩行者専用ということが災いするのか事故多発踏切として知られている。
平成28年(2016)6月、国土交通省が公開した「踏切安全通行カルテ作成一覧」の中の“緊急に対策の検討が必要な踏切”の事故多発踏切としてここが挙げられている。
同省の「踏切安全通行カルテ」によると、一の手西踏切は踏切長40メートル、横断本数4本、過去5年の踏切内の事故発生状況は3件、うち死者3名(H21年 直前横断(歩行者)、H23年 直前横断(歩行者)、H24年 停滞(歩行者))となっている。
私の記憶に有る物では、平成21年(2009)4月1日午前6時40分頃、この踏切で60~70歳代の男性が野洲発姫路行き快速電車にはねられ死亡するという事故がある。
「事故多発箇所、自殺多発箇所、即、心霊スポット」という考え方は私個人は全く持って同調できないが、この踏切は周辺の踏切(一の手西踏切から西へ、離宮道踏切、西天神踏切、千守踏切)と共に心霊スポットと言われている。

この踏切の北東隅、遮断機の根元にひっそりと小さな地蔵尊を中心に七基ほどの一石五輪塔や五輪塔の残欠が祀られている。
ここが事故多発踏切であること、踏切の敷地内に祀られているということからも、この地蔵尊は踏切事故で亡くなった方の慰霊のために建立されたものと思われる。
ただ、周囲の五輪塔はかなり古い時代の物の様で、土地柄おそらくは源平合戦の戦死者の供養のために建てられたものが後世ここに集められたものではないかと思われる。

余談ではあるが、ここから 更に北にある山陽電鉄の 西北に200メートルほど行ったところにあるJR神戸線の「離宮道踏切」も心霊スポットとして知られている。
(「離宮道踏切」はJR神戸線(須磨区天神町1)と山陽電鉄(須磨区行幸町4)の双方に存在する。)

関連記事:
・ああ、また死す

参考
・国土交通省 報道発表資料 「踏切安全通行カルテ」の公表について
http://www.mlit.go.jp/report/press/road01_hh_000705.html
・(別添1)踏切安全通行カルテ作成一覧表(PDF形式)PDF形式
http://www.mlit.go.jp/common/001135188.pdf


2018/03/30 加筆再編集。

2021/10/04 一部加筆。


2018/12/19 追記
須磨区のある踏切には首なし幽霊が出るという話がある。詳しい事は定かではないが前述の心霊スポットと呼ばれる事故多発踏切の何れかではないかと思われる。

参考までに書くと、須磨区内にあるJR神戸線の踏切は、東から山ケ坪一踏切(須磨海浜公園駅建設に伴い2006年7月21日廃止)、一の手西踏切(※)、離宮道踏切、西天神踏切(※)、宿道上踏切(※)、千守踏切(※)、須磨浦踏切、山陽電鉄の踏切は、東から東須磨踏切、天井川東踏切(※)、天井川西踏切、月見山東踏切、月見山踏切(※)、離宮道東踏切、離宮道踏切(※)、薬師踏切、須磨寺踏切、須磨寺西踏切があり、末尾に(※)の付いているものは、前出の「踏切安全通行カルテ作成一覧」の中の“緊急に対策の検討が必要な踏切”として挙げられている踏切である。







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