N市のパチンコ店

旧友のNから聞いた奇妙な話を書かせていただこうと思う。
Nの勤め先に「たつさん」(仮名)と呼ばれている男性がいた。たつさんはいわゆる「三度のメシよりパチンコが好き」な方で、暇さえあればパチンコに行っていた。
そんなたつさんが過去に一度だけ奇妙な経験をしたことがあった。
これはNがたつさんから聞いた話である。

場所はN市のパチンコ店。
いつもより早く仕事が終わったたつさんは、その日もいつものようにパチンコ店へと出かけて行った。
ひとしきりパチンコに興じトイレに行った。用を済ませたたつさんはふと壁のシミに目が行った。普段なら壁のシミなど気にも留めないのに、なぜかその時は誰かに見られているような妙な感覚になってそちらの方に目をやったらしい。
そのシミはまるで人の顔のようで、それはやがてはっきりと苦しそうな女の人の顔になった(浮き出てきた)という。
パチンコのしすぎでおかしくなったか?と思いつつも、気味が悪くなってそそくさとトイレから出たたつさんだが、その後も何も無かったようにパチンコをして帰ったという。

たつさんはNに、
「便所のシミがそう見えただけだと思うけどな。(パチンコに)入れ込み過ぎて熱くなってたしな(笑)」
と言った後、つづけてこんな話をしてくれた。
「昔な、パチンコの好きなおっさんがいてな、嫁はんがパチンコをやめてくれってずっと言うとってんけど、全然やめんかってん。家にカネも入れんようになって、しまいには家のカネまで持ち出してパチンコしよってん。」
「んでな、何もかもが嫌になったんやろな、嫁はんが当て付けにそのパチンコ屋のトイレで首吊ったいう話や。」
「今も成仏出来んでおるんかな、可哀相なこっちゃ。」
と話してくれたそうだ。
たつさんが見た顔のようなシミ(?)ははたしてただのシミだったのだろうか。
それとも、不幸な最期を遂げるた女性の恨みが今も留まっているのだろうか。

N(がたつさんから聞いた)の話を元に店舗の見当を付ける。
Nがたつさんからその話を聞いたのが十数年も前のことで、その時は店の名前も聞いていたかもしれないが、今となっては分からないという事だった。
地名や立地的にここで間違いないだろうという場所が二軒浮かび上がった。
ひとつは随分と昔からある感じで、こう言っては申し訳ないが寂れた感じの店。もうひとつは対照的に音楽ガンガン照明キラキラのド派手で大きな店だ。このどちらかの店でたつさんが不思議な体験をしたと思われるが、「ここのトイレで自殺があったって本当ですか?」などと聞けるわけもなく。それ以上の事は分からなかった。
更に言うと、心霊スポットと呼ばれる所には躊躇なく踏み込んでいく私だが、パチンコとかよく分からない私は中に入ることも出来ず、ただ遠巻きに店舗を眺めるだけだった。

余談になるが、このパチンコ店の事を調べていて同じ市内の別のパチンコ店にも幽霊の噂があることを耳にした。
線路沿いのとあるパチンコ店では、負けが込んだ女性客が店を飛び出して店の前の踏切に飛び込むという事があった。店の防犯カメラには、深夜、店の入口付近を彷徨う女性の幽霊が写っていたという。(女性は一命をとりとめたという話もある。)

このような表現をすると特定の業種への誹謗中傷と取られかねないうえに、個人的な感覚でものを言って申し訳ないが、日本各地にある墓地でも幽霊が出ると言われている墓地は限られているのに対して、パチンコ屋やラブホテルはかなりの確率でその手の噂があるように思われる。
(墓地は供養されているからそうそう出ないといえばそうかも知れないが。)

※おことわり
(1) 本記事の内容は“ミステリースポット”の紹介として掲載をしているものであり、特定の地域、人物、組織(企業、団体、機関等)、施設、店舗等の名誉棄損、誹謗中傷、揶揄等ならびに業務の妨害等を目的としたものではないことをご承知おきください。
(2) 可能な限り事実確認、検証をしておりますが、情報源は風聞によるところも多く、とりわけ「怪談」や「不思議な話」といった類の物としてお読みいただければと存じます。
(3) 一切の名称、所在地及びそれらに類する情報、及び画像等については公開できことないことをご承知おきください。



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