私が怖い話が好きということを知って、知人のFさんがこんな話を聞かせてくれた。
Fさんのお知り合いに霊感の強い方(仮にA子さんとする)がおられた。
今から40年以上前の話、結婚したA子さんはそれまで住んでいたところを出て、姫路の方に新居を構え二人で住むこととなった。
場所はYというところで、まだ若かった二人は新築を建てることは難しく、賃貸の古い一軒家を借りてそこで新しい生活を始めることとなった。
引っ越しして間もなくのことだった。
昼夜を問わず部屋で「パキッ!」「ピシッ!」という不可解な音がする。気になったが、夫は古い家なので通りを走る車の振動や風か何かの影響で家がきしんでいるのだろう、気にすることはないと言った。また、時には閉めたはずの戸が開いていることもあったが、閉め忘れたのだろうと思ってそれ以上は気にしない様にしていた。
しかし、不可解な現象はそれだけに留まらなかった。
A子さんは引っ越してきた間なしから、誰かに見られているような視線を感じることがあった。その感覚が日に日に強くなってきたある日、誰もいない廊下や部屋で人の気配がしたり、人影らしきものを見るようになった。
「いよいよこれは何かある」(この家には何かいる)と感じたA子さんだったが、折角二人で決めた新居ということもあり、また旦那さんはあまりそういうこと(霊や怪奇現象)に無頓着な人だったので、恐怖を感じながらもなかなか言い出せずにいた。
そんなある日、A子さんが寝ていると、生気の無い青白い顔をした老人が現れてA子さんに何かを訴えるようにじっと見詰めていたという。やがて、老人は恐怖で身動きできないA子さんを布団の上から両手でぐいぐいと押えて来た。
横で寝ている旦那さんに声を掛けようとしても声が出ない。手足を動かすこともままならい。
A子さんは声を出すことも体を動かすこともままならないまま、目を閉じてひたすら心の中でお経を唱えていた。
どれくらいの時間が経っただろう、気が付くと朝になっていたという。
これまでのこと、昨晩あったことを全部旦那さん話し、A子さん夫婦はすぐにそこから引っ越していったという。
その後その家はどうなったのか、どの辺りにある(あった?)のか、今もその家はあるのか、いろいろと詳しい話を聞きたくてFさんにお話を伺ったが、「随分と昔に聞いた話だし、今はA子さんとも行き来がないので詳しい事は分からない」ということだった。
何十年も前にあった古い家ということなので今はもう無いかもしれない、それとも、今もその家は何事も無かったように新しい居住者を待ち続けているのだろうか…
※おことわり
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