鉱山跡にて 2
ご投稿 : F 様


お盆の前あたりの夜、また一人でクワガタ採集にいきました。
兵庫県のYにある、鉱山跡地です。
クワガタ仲間では“Y橋”(管理人修正)と言われています。
人によっては“H”(管理人修正)とも言います。
オオクワが採集出来る場所です。

Y橋から林道を四駆で走ります。
池に沿ってですので、夜はなかなかいい雰囲気です。
途中で車を停め、暫く林道を歩き、そのあとは踏み跡を歩きます。
途中、台場クヌギが点在しており、適当に確認してから、更に奥に進みます。
すると広い谷になります。
谷底は石ばかりで下草もありません。
両側の登り斜面にはコナラの木があります。
昼間、目を付けていたコナラを確認していました。

「ああぁ〜」「ううぅ〜」
どこからか、声らしきものが聞こえました。
「…幻聴かな?」
私は一旦、木の影に隠れるようにし、ライトを消して、辺りを伺いました。
斜面は急で下草もなく、よって谷全体が見渡せます。
シーンとした山の中は、それこそ“寂として声無し”の状態でした。
と…またも、唸り声がしました。
「どこからしているんだ?」
谷全体を注視しましたが分かりません。
心臓がバクバクしていました。
「これは、ヤバいぞ」
そう直感した私は、虫取り網の網を外し、代わりに刃物を取り付けました。
リュックからは大型のマイナスドライバーを出しポケットに忍ばせ、また鉄製の長い針を胸ポケットに忍ばせました。

その間にも唸り声は何回かしていました。
正直、大変怖かったですが、これらの装備は、万が一、身の危険に晒された場合、応戦する為のものです。
じっとしてても仕方ないので、意を決して谷底まで降りました。
私は、まず谷底にある間歩(まぶ、鉱山の坑道)に行きました。
先端に刃物をつけた棒を構えて確認しましたが、違います。
私は姿の確認出来ない唸り声の主に、虚勢を張って、ドスを効かした声で言いました。
「コラ!オドレ、わしに喧嘩売るんやったら、相手したんぞ(してやるぞ)」
「わしに、しょうもない事してみぃ、ぶち殺すぞ」
こんな事言ってますが、本当はむちゃくちゃ怖かったのです。
端から見たら変な奴でしょうね。

結局、唸り声はなんなのかは分かりません。
また、唸り声はその場所だけで、他はしていませんでした。

管理人補足:
F氏の訪れられた鉱山跡は、非常に広範囲に及ぶ兵庫県でも有数の鉱山の一部と思われ、もしそこであるとすれば平安時代の開発より昭和48年の閉山までの長きに亘り鉱山として運用されていた歴史がある。
その長い歴史の中には埋蔵金伝説なども伝わっており、埋蔵金を埋めるために多くの死罪人が集められ、埋蔵作業後口封じのため全員が殺され大竪坑(垂直坑)に投げ入れられ今も埋められたままだという伝説が残っている。



2010/10/04 追記
本稿補足にて、F様が訪れられた場所が恰も埋蔵金伝説のある鉱山、昭和48年(1973)まで稼動していた鉱山であるかの様な誤解を与える記述があった事をお詫び致します。
埋蔵金伝説のある鉱山は広大な鉱山の一角にある銀山であり、F様が訪れられた場所は同じ鉱山ではありますが全く別の場所であります。

以下にF様から戴きましたメールを引用転載させて戴きます。

財宝はT銀山に埋められている…と言われていますが、本当のところは違う鉱山とも言われています。
T鉱山のどれかです。
以前体験談で出ました、O山(管理人修正、「鉱山跡にて」参照)に、財宝が埋まっているという記録を見せて貰ったことがあります。
よって、T銀山には財宝を埋め、口封じの為に殺された人夫の幽霊が出る…というのは、私から言えば完全な作り話しです。

但し、落盤や事故で亡くなった方々は結構いたようです。
一庫ダム北側に千軒墓地があります。
元々は今の野外活動を行う場所にありましたが、諸般の事情により現在の位置になりました。
そこには、奇妙山(現在の知明山)と周辺の鉱山で亡くなった人のお墓が多数あります(何故だか鳥取県出身者と朝鮮人ばかりです)。
但し、お墓といっても墓石ではなくただの石ですし、管理されていませんので草に埋もれています。
あとは千軒の住人(2軒だけですが)のお墓があります。
もしかして、一庫の“つとむ君の墓”の元かなぁとも思いました。






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