変電所裏の山 2

ご投稿 : F 様

2010-10-21


さて、「変電所の裏山 1」の続きです。

去年(2009)あたりから、クヌギ林の奥あたりから、誰かに見られている感じがしてきました。
まぁ気のせいだろうと、飽きもせずに、一人で採集に行っていました。

今年(2010)、A君を初めて連れていきました。
案の定、A君は「Fさん、また~」と嫌な顔をしました。
「何が、また~やねん」と言うと、「この林道、いますやん」と言うのです。
私「いるよ。猪とか鹿とか、普通に」
A「…。じゃなくて…この林道の先に、何か祀ってません?下から、ゾロゾロ歩いていますし…」
私は、何でコイツ(管理人注.「変電所の裏山 1」のB様)も同じこと言うんだ、と思いました。
車をキャンプ場に停め、更に林道を歩きました。
A「ちょっと…帰りましょう。気分が悪い」
私「じゃぁ、車の中で寝とけや。俺は行くし」
A「…じゃぁ行きますけど…川の方、ヤバいですよ」

クヌギ林の中に入ると、A君は「あ、ここは大丈夫や」と言いました。
私は「さっきから、アイツ(B君)と同じこと言うなぁ」と思いました。
クヌギ林の一番奥のクヌギに行きました。
私は「やっぱり、気味が悪いなぁ」と思った時です。
A「Fさん!これ以上、奥に行ったらダメです」
真顔で言いました。
私「もう、この木が一番奥だから、行かないよ」
A「行ったらダメです」
私「どうしたの?何故、行ったらダメなの?」
A「行ったらダメです」
理由を言わないのです。
「行ったらダメ」しか言いません。
私はリュックから、刃物を取り出し、いざという時に備えました。
A君は完全に、顔が恐れていました。

帰りの車中で、A君は言いました。
「林道と川にいた霊は、同じ類の霊で悪さはしません。でも、あの奥の霊は、マジにヤバいです。林道と川のとは、異質のものです」
私は「じゃぁ、あのクヌギ林はヤバいの?」と尋ねると「あれより奥に行かなければ、大丈夫です。ただ、こっちをジッと見てますけど…」
ホッとした状態に戻って、A君は言いました。
「Fさん、あんな武器あっても、霊には役にたちませんよ」






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