一庫ダム
(知明湖)

知明湖
兵庫県川西市にある一庫(ひとくら)ダム(知明湖)は、阪神間の水瓶として、昭和57年(1982)に田尻川と一庫大路次川(ひとくらおおろじがわ)の合流地点に建設。ダムの高さ75メートル、長さ285メートル、満水時の面積は1.4平方キロメートル、建設によって水没した家屋は国崎地区を中心に32戸、洪水調整を兼ねた多目的ダムとなっている。
周辺は県立一庫公園として整備され、周辺には遊歩道やキャンプ場もあり、ハイキングやドライブ等の行楽地としても有名な場所である。夏にはコンサートやキャンプ場での魚のつかみどり、秋には一庫ダムマラソンなどのイベントも開催されている。
しかし、その反面、自殺、事故などが多い事から、近傍の能勢の妙見山と共に心霊スポットとしても有名で、一部では“人喰くら(ひとくら)ダム”とも呼ばれるほどである。
建設工事中の事故による死者をはじめ、これまでに何度と無くこの湖では入水自殺や死体遺棄事件、交通死亡事故などが頻発しているからである。
私が聞きかじった話をいくつか紹介すると…

(01) 関西の某TV局の社員が結婚サギまがいの事をして、被害者の女性がこのダムに投身自殺をした。
(02) よく水死体や白骨死体が発見されるが、このダムの水が飲料水に使われているため公にはならない。また、未だ未解決の死体遺棄事件もあるという。
(03) ダムのそばの雑木林でも首吊り自殺などあったという。
(04) ダムから流れる川でバラバラ死体が発見されたことがある。
(05) ある殺人犯は、このダムに死体を遺棄したが、毎夜のようにその殺害した被害者の亡霊に悩まされノイローゼのようになって警察に自首したという
(06) ダムの近くのある飲食店の経営者一家がこのダムの湖周道路で事故を起こし乗っていた車が炎上、一家全員が焼死したという。
(07) ダムの傍の山の頂上付近から乗用車がガードレールを突き破って谷底に転落した。
(08) ダムの湖周道路を走っていて、ルームミラーを見ると全身びしょ濡れの母娘(の幽霊)が乗っていたという。
(09) ダムの湖周道路を走っていて、突然目の前に女性が立っているのを見つけて急ブレーキを踏んだが、車はその女性を通り抜けていったという。
(10) 深夜に自動販売機の傍にある電話BOXの受話器をとると「ポコポコ・・・」というような泡のような音が聞こえる事があるという。
(11) 深夜に自動販売機の傍にある電話BOXで写真を撮ると必ずといっていいほど不思議なものが写る。
(12) 深夜に自動販売機の傍にある電話BOXの傍には髪の長い女性の幽霊が現れるという。
(13) 一庫ダムから篠山方面に抜けるトンネルを走っていてバックミラーを見ると、トンネルの出口の上に子供が座っているのが見えるという。
(14) 一庫ダムから篠山方面に抜けるトンネルを走っていてバックミラーを見ると、老婆が猛スピードで追いかけてくるのが見えるという。
(15) 一庫ダムから篠山方面に抜けるトンネルを走っていてトンネルを抜けると、フロントガラス一面に人の手形がベタベタとついていたという。
(16) ダムの傍らの雑木林の中に小高く土が積まれた場所が有り、そこに「つとむ君の墓」と書かれた木製の墓標が立っていた。
「つとむ君の墓」(2020.09.12 UP) 参照
(17) 『望郷の碑』のあたりでよく幽霊が目撃されるという。
(18) 湖面を火の玉がただよっている。
(19) 白い(色素欠乏によるアルビノ化)ブラックバスだと思って釣り上げたら人間の腕だった。

「望郷の碑」 この周辺で幽霊がよく目撃されているという など、奇怪な話には事欠かない。
ダムや水辺に怪談はつきものだが、地元(兵庫)でもあるせいか、特にここ一庫ダムはそういった奇怪な話が多く聞かれるように思う。
ただ、これらも(こう言ってしまえば身も蓋も無いのだが)どこまでが本当でどこまでが噂なのかと言われると、私としても何とも言えないのが正直な所である。
一庫ダムの「供養塔」や「鳥居」については、また折をみて、稿を改めて書こうと思っている。
一庫ダム湖畔の鳥居(2010.01.03 UP) 参照

ダム湖(知明湖)の名前はダムの北側に在る知明山(ちみょうやま)に由来し、当時の川西市長伊藤龍太郎氏の命名による。
知明山は多田銀銅山に近く、銀銅を産する不思議な山ということから古くは奇妙山と呼ばれていたのが訛り、いつしか知明山と呼ばれるようになったという。奈良時代に聖武天皇が夢で伊勢皇太神のお告げを受け、東大寺大仏鋳造の銅をこの奇妙山神教間歩(坑道)より掘ったという言い伝えが残されている。


2005/05/06 追記
2005年4月7・8日。tasuku様より一庫ダムのトンネルについて以下の様なご寄稿を戴きました。

一庫ダムの話ですが、天王山トンネル、はらがたわトンネル(共に 大阪府豊能郡能勢町天王)によくでるという話を聞きます。
実際に何度か通りましたが僕自身、数回気分がわるくなりました。

天王山トンネル、はらがたわトンネルの話ですが、昔父が話しいていたことがあり、昔父はこの近くに住んでいたそうなんですが、このトンネルがある道を通す工事中に落盤事故が多発し何人も亡くなられたそうです、その時の亡くなり方が無惨だったらしいです。


2006/07/12 追記
2006年5月7日。AZENIS様より一庫ダムにまつわる噂の真相について情報をご寄稿戴いた。
それはAZENIS様からの掲示板への書き込みがきっかけだった。
AZENIS様によると、弊サイトに書かれている事の大半は噂の域を過ぎないとのご指摘を戴いた。そこで、事実は事実、噂は噂と明確にすべく、氏から承諾を得てここに追記という形で噂の真贋を掲載させて戴いた。(以下一部抜粋)

(前略) 私、一庫ダムの着工からずっと近くに住んでます。
スミマセン、書かれている事の半分以上は、只の噂です。
死体遺棄事件、及び自殺はこの20年間で5件程度のハズです。
それと、建設時の犠牲者(2名)は病院に運び込まれてから亡くなっています。
交通事故は多いですが、殆どが暴走行為によるものです。

毎年夏になると肝試しに来られる方が多いですが、ご期待に沿えるような場所ではありません。
地元住民として黙ってられなくなりましたので書込みました。

(01) 関西の某TV局の社員が結婚サギまがいの事をして、被害者の女性がこのダムに投身自殺をした。
[誤] テレビ局が取材に来た際に作られた話。全くの事実無根。
(02) よく水死体や白骨死体が発見されるが、このダムの水が飲料水に使われているため公にはならない。また、未だ未解決の死体遺棄事件もあるという。
[誤] そんなに死体がしばしば揚がっていたら地元で気付きます。
それ以前に他で起きている死体遺棄事件の報道と解決率が100%なのかと言いたいです。
(03) ダムのそばの雑木林でも首吊り自殺などあったという。
[正] 数年前に確かにありました。ただし頻繁に起きているワケではありません。
(04) ダムから流れる川でバラバラ死体が発見されたことがある。
[?] 10年程前に猪名川下流の方で起きたバラバラ殺人事件のことでは?
(05) ある殺人犯は、このダムに死体を遺棄したが、毎夜のようにその殺害した被害者の亡霊に悩まされノイローゼのようになって警察に自首したという
[誤] 多分心霊番組が作った誇張です。(ダムの近所に20年以上住んでるのに聞いたことありません)
(06) ダムの近くのある飲食店の経営者一家がこのダムの湖周道路で事故を起こし乗っていた車が炎上、一家全員が焼死したという。
[誤] 関東の方にこんな怪談話があったように思います。近場の飲食店は大抵出入りしてますが、聞いたことありません。
(07) ダムの傍の山の頂上付近から乗用車がガードレールを突き破って谷底に転落した。
[誤] ダム周辺に山の頂上を走っている道路はありません。
(08) ダムの湖周道路を走っていて、ルームミラーを見ると全身びしょ濡れの母娘(の幽霊)が乗っていたという。
[△] もう少し奥の野間峠(大阪府豊能郡能勢町野間中)の話です。(内容が全く同じです)
(09) ダムの湖周道路を走っていて、突然目の前に女性が立っているのを見つけて急ブレーキを踏んだが、車はその女性を通り抜けていったという。
[?] 市販の怪談話集に同様の話が載っていますが・・・(多分勝手に作られた噂・・・)
(10) 深夜に自動販売機の傍にある電話BOXの受話器をとると「ポコポコ・・・」というような泡のような音が聞こえる事があるという。
[誤] 和歌山県か大阪湾沿いの街の怪談話の一つです。(小学生の臨海学舎で聞いた話と同じです)
(11) 深夜に自動販売機の傍にある電話BOXで写真を撮ると必ずといっていいほど不思議なものが写る。
[誤] 側の道を通る自動車のヘッドライトと看板等の反射の加減で変なモノが写るようです。(10年前に実験済み)
(12) 深夜に自動販売機の傍にある電話BOXの傍には髪の長い女性の幽霊が現れるという。
[△] 関東の方の怪談話に似たものがあった様に思います。
ちなみに2週間に一度ペースで深夜にこの場所と思しき場所で煙草吸ってますが、見たこと無いです。
(13) 一庫ダムから篠山方面に抜けるトンネルを走っていてバックミラーを見ると、トンネルの出口の上に子供が座っているのが見えるという。
[?] 聞いたことありません。(近所の子達も知らないとの事)
(14) 一庫ダムから篠山方面に抜けるトンネルを走っていてバックミラーを見ると、老婆が猛スピードで追いかけてくるのが見えるという。
[?] 何かどっかで聞いた話なんですけど・・・(小学生向けの雑誌か何かで)
(15) 一庫ダムから篠山方面に抜けるトンネルを走っていてトンネルを抜けると、フロントガラス一面に人の手形がベタベタとついていたという。
[?] これもどっかで聞いた話なんですけど・・・(小学生向けの雑誌か何かで)
(16) ダムの傍らの雑木林の中に小高く土が積まれた場所が有り、そこに「つとむ君の墓」と書かれた木製の墓標が立っていた。
[誤] ウチの近所の大学生いわく、10年程前に自然発生した噂話のようです。
(17) 『望郷の碑』のあたりでよく幽霊が目撃されるという。
[正] これはよく聞く話です。地元の人間にも目撃者あり。
(18) 湖面を火の玉がただよっている。
[正] 地元でも有名です。目撃者多数います。
(19) 白い(色素欠乏によるアルビノ化)ブラックバスだと思って釣り上げたら人間の腕だった。
[△] 実話ですが、ちょっとだけ違いますね。
(実際)ダム沿いの道から白いブラックバスがいるのが見えたので、水面近くに下りて行ったら死体の腕だった。



2020/03/13 追記
一庫ダムにまつわる奇怪な話について書いた本稿を公開したのが平成15年(2003)8月17日。(その後、同17年、18年に追記。)
それから16年半ほどが経ち、その後、折に触れて一庫ダムについて聞いた事を追記する。

・ 知明湖(一庫ダム)の湖底に沈んでいる旧国崎村は平家の落人伝説があり、その平家の落人の無念の思いが怪奇現象を起こしているという。
北に直線で5キロメートルほど行った能勢野間郷(現 大阪府豊能郡能勢町)の来見山には「安徳天皇来見山御陵墓」がある。参考まで。

・ (09)と内容が一部重複するが、湖周道路を走っていると道の真ん中に立っていたり、うずくまっていたりしている女性に遭遇することがある。ドライバーは咄嗟にハンドルを切って避けようとして事故を起こしてしまう。道の真ん中にいたはずの女性は影も形も無くなっていたという。

・ ン十年以上前(詳細不明)、暴力団により殺害された印刷会社の経営者がコンクリート詰め遺体となって発見された。


2021/03/12 追記
色々と聞きかじった話を追記。
一庫ダムに現れる幽霊の話としては女性の幽霊の目撃談が多いようだ。

一庫ダムに現れるという女性の幽霊は、その姿、現れ方、現れる場所などがいくつかあるようだ。同じ女性(の幽霊)なのか、否かは分からないが、その容姿は若い綺麗な女性という話もあれば、怨みに満ちた怖ろしい形相でこちらを睨み付けてくるという話、生首だけという話もある。雨の日、龍化隧道(廃隧道)周辺にはハイヒールを履いた女性の幽霊が現れるという。
女性の幽霊が現れる場所も、前述の龍化隧道周辺のほかに、ダムの上に現れるいう話、或いはダム湖周辺を走っていると後部座席に見知らぬ女性(白骨化した女性という話もある)が乗っているといった話もある。
また、何処からともなくコツコツというハイヒールの音だけが近づいて来る、トンネル(注.1)の中で女性の声がするといった姿の見えない(しかし、女性であることを強調するような)パターンも聞かれる。

注.1 一庫ダム周辺には数多くのトンネルがあり、怪現象が起こると言われるトンネルがどのトンネルなのかは定かではない。
向山トンネル、井補野トンネル、郷内トンネル、保ノ谷トンネル、桐山トンネル、笹ヶ谷トンネル、一庫トンネル、長原トンネル、、越ノ山トンネル、(圓山隧道(廃隧道))、新圓山トンネル、(龍化隧道(廃隧道))、新龍化隧道、龍化トンネル、民田トンネル 等。



2022/07/28 レイアウトの一部を変更。「望郷の碑」の画像を追加

2023/10/13 (16)「つとむ君の墓」に内部リンクを追加



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