♯8 ギボギブアップ伝説

―有名がゆえに生まれた汚名―




オカルト好きな方なら、宜保愛子(ぎぼあいこ 1932年1月5日 - 2003年5月6日)という有名な霊能者がいた事をご存知の方は多いと思う。
1970年代中頃から1980年代にかけて、お昼のテレビ番組『あなたの知らない世界』(日本テレビ)で放送作家であり日本心霊科学協会理事でもあった新倉イワオ氏(故人)と共に出演、心霊体験の再現映像を交えそれらの解説などをして霊能力者として一躍注目を浴びることとなった。
以後、数多くのメディアへの出演、著書の出版を精力的にこなすようになっていた。
オウム真理教によるテロ事件の発生以来、世論の批判を受けメディアはオカルト系の話題を自粛するようになり、自ずと彼女のメディアへの出演も減っていったようである。2003年5月に胃がんのため71歳で世を去った。
『とんねるずのみなさんのおかげです』では、石橋貴明が「宜保(イボ)タカ子」のネタにするほどその知名度は高かった。

全盛期の彼女は各メディアの心霊系番組への出演も多く、日本各地のみならず海外の心霊スポットと呼ばれる場所にも何度となく訪れては霊視を行っていた。また、彼女の能力を頼り除霊の相談や依頼も跡を絶たなかったという。
そのため何度となく恐ろしい目にも遭っているようだ。
テレビ番組の収録などで心霊スポットを訪れた彼女が、「ここは、私の手には負えない」といったニュアンスの言葉を口にしたという話から、立ち入ることを拒んだ、恐怖のあまり逃げ出したというエピソードが巷間には溢れている。

私が知っている範囲でそれらのエピソードの舞台といわれる場所を列挙すると、詳細不明の物、重複の可能性のある物を含めると、76箇所ほどがある。(2026.08.09現在)
以前、ここでそれらのスポットの名称と所在地のみを列記していたが、流石に76箇所ものスポットをダラダラと書き連ねるのも冗長かと思い、簡単な説明を付け加え別ファイルとした。

▶ 「宜保愛子が霊視を拒否したといわれる心霊スポット」 (新規タブで開きます)

更には、話の続きとでも言うのだろうか、彼女の死と結び付けて、その死に至った原因はある心霊スポットを訪れた時に徐霊に失敗、そこで悪霊に憑かれた、或いはその呪いにより亡くなったのだという話まで出来る始末である。(実際の(直接の)死因は胃ガンといわれる)
その死の原因となったと言われる場所でさえ複数ある…

▶ 「宜保愛子を死へ導いた場所」 (新規タブで開きます)

それとは逆に、真偽のほどは定かではないが、彼女自身が亡くなる数年前に「私もそろそろ死ぬだろうけど、運命だからしかたない」といった旨のことを話していたという話もある。

これらの中には徐霊を依頼され仕事として現地に赴いた案件もあるかも知れないので全ての物に映像が残っているとは言えないが、私の知る限り上記20数件については、調べてみたが信用に値する情報も映像も何も確認できなかった。
それについては、たとえばテレビ番組の場合、彼女が恐怖のあまり霊視(立ち入ること)を拒否したため、結果番組として成立せず放送されることはなかったということらしい…

ただ、上記の場所ではないが過去一度だけ心霊スポットから宜保愛子が悲鳴を上げながら飛び出して行った映像を見た事がある。
香港(台湾だったかも知れない)の幽霊屋敷(廃墟)を彼女が訪れた時のこと、ある部屋の中に足を踏み入れた途端、部屋の中にいた鳥が彼女やスタッフに驚いて暗闇の中から一斉に飛び立った。それに驚いた彼女は悲鳴を上げながら部屋を飛び出していった。
彼女曰く、鳥が霊(人間)の顔をしていたと言っていた。
事実は本人にしか分からないことなので、霊能力も無ければその場に居合せたわけでもない私が憶測でものを言うのは憚られるが、私としては彼女は暗闇から飛び出して来た鳥に“物理的に”驚いたのではなかったのではないかと思っている。

彼女は本当に霊の存在を感じたり見たりすることが出来たのだろうか。
もしそれらを感じたり見たりすることができたのなら、霊能者であるはずの彼女が噂にあるように何度となく(不適切な表現だが)敵前逃亡をしたのだろうか…
彼女には本当に霊の姿が見えたからこそそこに近づく事を恐れ、そこを離れたのだという人もいるが本当の事は誰にもわからない。

それにしても、希代の霊能力者とまで称された彼女にだけ何故このようなエピソードが付いて回るのか。
これらはあくまで都市伝説であり、宜保愛子というネームバリューを利用して心霊スポットに箔を付けるため、更に言うと、「宜保愛子さえ逃げ出した心霊スポットに行ける俺たちカッコイイ!」という承認欲求や自己顕示欲を満たすために利用されたのではないだろう。
稀代の霊能者宜保愛子、悪く言えば有名故にその名前を利用されたのではないかと私は思う。

余聞。(2024/02/20 追記)

真偽(或いは番組上の演出等を含む)のほどは不明として、霊能者が霊視あるいは近寄ることを拒否した、逃げ出したという話は冝保愛子に限らずよくある話のようである。

詳細不明のものが大半だが、ここに上記に書いた以外の例を幾つか挙げておく。

・ 大阪城公園(大阪府大阪市)
心霊番組の取材で訪れた霊能者が逃げ出したという話がある。徳川家康に滅ぼされた豊臣家の怨念に纏わる話など奇怪な噂には事欠かない場所である。

・ 堀金の井戸(山形県東置賜郡)
東京?のテレビ局が霊能者を連れて「堀金の井戸」を訪れたが、霊能者が臆して番組にならなかたっという。
(逆に霊能者がビビる様子が撮れた(それほど怖ろしい)のなら、テレビ番組としてはそれはそれで番組としては成功だと思うが…)

・ 宿町の幽霊屋敷(長崎県長崎市)
テレビの心霊番組の取材で“有名”な霊能力者がここを訪れたが、手に負えないという事で取材が中止となった。

・ 奥米隧道(千葉県君津市)
AbemaTVの「ぜにいたち」(2023年1月9日放送分)で、霊媒師で、冝保愛子の弟子を“自称する”クレオパトラ美月が幽霊と遭遇し取材途中で早々に逃げ帰っている。

・ 放生池(大分県大分市) 2024/03/14 追記
テレビの心霊番組の取材で霊能者がここを訪れたが、タタリで気が触れてしまいロケが中止となってしまった。

・ 石巻の海岸(宮城県石巻市) 2024/03/14 追記
人道的援助と慰霊・鎮魂のために台湾から風水師が東北の被災地に訪れた時、石巻の海岸を訪れたが余りの霊の数に手に負えないと早々に退散したちう話がある。(真偽不明)

・ 五ヶ池(兵庫県西宮市) 2026/04/30 追記
番組の取材か何かで稲川淳二がここを訪れたが、恐怖のあまり逃げ帰った(原文ママ)という。
(注.稲川氏は怪談師としての活動はされているが霊能者ではない。)

・ 権現崎(青森県北津軽郡) 2026/07/12 追記
ある霊能者は恐怖のあまり立ち寄れなかったという。

・ 誉田(ほんだ)町周辺(千葉県千葉市) 2026/07/12 追記
霊能者が「自分の手には負えない」と言って退散したという話がある。
「やくしん田(やくしん池)」という忌み地、処刑場跡や処刑に用いた血刀を洗った池があるという。

・ 狛犬屋敷(愛知県稲沢市) 2026/07/12 追記
ある地方テレビ局が心霊番組の取材で訪れた時、霊能者が近付くことを嫌がった。

・ 三角屋敷(愛知県あま市) 2026/07/12 追記
霊能者が家に入ろうとして記憶喪失になったという。

・ 妙見山しおき場(大阪府豊能郡) 2026/07/12 追記
地元テレビ局が心霊スポットとして紹介、同行していた霊能者が動けなくなった。また、ある霊能者は近寄る事さえ恐れたという。

・ 関西の某ホテル 2026/07/12 追記
著名な霊能者と言われる人が宿泊し、フロアーにエレベーターが付いた瞬間、その人はすぐに適当な階のボタンを押して、そのフロアーには足を踏み入れず、このフロアーは開かずのフロアーにした方が良いと言ったという。
「長い黒髪の女」(ご投稿体験談)参照。

これらは、前述したようにひとつには“霊能者も逃げ出すほどの心霊スポット”ということで、プレミアム感(箔)を付けるための常套句として使われている感があり、もうひとつには、穿った見方かも知れないが、“私(霊能者)には本当にこんなに恐ろしものが見えているんです」アピールに過ぎないと懐疑的な私は思ってしまうのである。

※おことわり
「公的な存在・職能」として見なす日本の言語慣習に従い、敬称略とさせていただきます。


2018/12/25 加筆再編集。

2024/02/20 余聞を追記。

2026/07/12 宜保氏の死因にまつわる場所として「乙事トンネル」を追記。余聞に6ヶ所を追記。

2026/08/09 加筆再編集。宜保愛子が霊視を拒否した心霊スポットをリスト化し別ファイルとする。

2026/08/22 加筆再編集。宜保愛子の死因となった(といわれる)心霊スポットをリスト化し別ファイルとする。






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